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【スポーツ】

五輪懸け、あす号砲 MGC40人競う

MGCの記者会見で、ガッツポーズを見せる出場選手たち(後列左から)中本健太郎、藤本拓、服部勇馬、福田穣、橋本崚、岩田勇治、堀尾謙介、今井正人、藤川拓也、神野大地、山本浩之、河合代二、高久龍、荻野皓平、鈴木健吾(中列左から)村沢明伸、大迫傑、上門大祐、竹ノ内佳樹、園田隼、設楽悠太、井上大仁、木滑良、宮脇千博、山本憲二、佐藤悠基、中村匠吾、岡本直己、谷川智浩、大塚祥平(前列左から)前田穂南、松田瑞生、安藤友香、岩出玲亜、野上恵子、鈴木亜由子、小原怜、福士加代子、上原美幸、一山麻緒

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 東京五輪マラソン代表の座を争う15日の「グランドチャンピオンシップ」(MGC=本社など共催)に出場する男女計40選手が13日、東京都内で記者会見し、男子の日本記録を持つ大迫傑(すぐる=ナイキ)は「しっかり強さを見せられれば」、前日本記録保持者の設楽悠太(ホンダ)は「順位も記録も両方求めていきたい」と大一番へ抱負を語った。

 明治神宮外苑発着の五輪本番とほぼ同じコースで、男女各2位までが代表に決まる。アクセサリーやマニキュアを金色で統一した女子の松田瑞生(ダイハツ)は「競るよりも突き放すレースがしたい」と気合十分。2度目のマラソンとなる鈴木亜由子(日本郵政グループ)は対照的に「淡々とやるべきことをやってきた。あとはそれを出すだけ」と冷静に語った。

 男子の一色恭志(ただし=GMO)、女子の前田彩里(さいり=ダイハツ)関根花観(はなみ=日本郵政グループ)が故障の影響で欠場。男子は30人、女子は10人による争いとなった。

◆男子・集団でスローペースか 設楽が「大逃げ」宣言

 選手がずらりと並んだ華やかな記者会見。勝負どころを問われ、大迫は「ラスト5k」とボードに記入し、ジャカルタ・アジア大会覇者の井上大仁(ひろと=MHPS)は「坂」と書き込んだ。他の選手も大半が「35キロすぎ」「40キロ」と後半の坂からが勝負。ペースメーカーがいないため、集団になってスローペースで進んでいくことが予想される。

 そんな中、異彩を放ったのが「10キロ」と記した設楽だった。「みんな後半勝負と言っている。それなら、後半ペースを上げられないくらい前半突っ込む。あまりに(集団のペースが)遅かったら、誰も付いてこられないくらいスピードを上げる」。本音か、それとも揺さぶりか。10キロまでにリズムをつかみ、展開次第では「大逃げ」を宣言した。

 調整も設楽流を貫いた。40キロ走は一度もなく、35キロまで。暑さ対策は「全くしていない」。大舞台の緊張感は「全くない」と普段通り。「調整は出来過ぎぐらい」と淡々とした口調に自信がみなぎる。

 男子の「4強」は調子が良さそう。大迫が「今までやってきた中で一番いい練習ができた。心身ともに充実している」と言えば、井上も「今回は勝ちにきた」と力強い。昨年12月の福岡国際を制した服部勇馬(トヨタ自動車)は「わくわくした気持ち」とリラックスした様子だった。 (森合正範)

◆女子・鈴木と松田、準備は万全 2強ロード初対決

 少数精鋭となった女子10人の中でも、優勝候補の双璧に挙げられるのが鈴木と松田。トラックでしのぎを削ってきた2人が、五輪代表争いの中心になると目される。「ここまでの練習を一番の自信にしたい」と鈴木が言えば、松田も「2位はいらない」とあくまで強気。いずれも言葉の端々に手応えをにじませる。

 今月上旬まで米ボルダーで高地合宿に臨んだ鈴木は、けがで立ち止まることなく距離を踏んできた。MGC切符を獲得した昨夏の北海道マラソンより、「しっかり準備期間が取れた」と強調。中高時代からけがが多く、北海道も決して万全ではなかっただけに、順調に仕上がった自分自身への期待は小さくない。

 対する松田も、「笑顔で駆け抜けたい」とリラックスした様子だ。マラソンに軸足を置いた今季は日本選手権1万メートルで10位と精彩を欠いたが、ここに向けて米フラッグスタッフの高地で走り込んできた。2度のマラソンでいずれも2時間22分台と好走した力を発揮する土台はできている。

 日本選手権1万メートルの勝負を振り返ると、2016年は鈴木が優勝、17、18年はスパート勝負で松田が鈴木をかわして頂点に立った。トラックでは互角。初対戦となるロードの対決に日本中が注目している。 (佐藤航)

◆2位まで切符 読めない展開

 Q MGCとは。

 A 出場資格を得た男子30人が午前8時50分、女子10人が9時10分にスタート。初の試みで男女とも2位までが五輪切符を獲得する。ペースメーカーはいない。各陣営とも「展開は読めない」と話しており、駆け引きも見どころ。

 Q マラソン代表の3人目はどう決まる。

 A 残る1枠は日本陸連が指定した12月から来年3月までの男女各3大会で、設定記録に到達した記録最上位者が選ばれる。設定記録は男子が2時間5分49秒、女子が2時間22分22秒。該当者がいない場合はMGC3位が五輪切符を得るため、3位にも五輪代表の可能性は残る。

 Q 運営側の暑さ対策は。

 A 給水所を通常の5キロおきから、2.5キロおきに変更し、終盤は5カ所増設。飲料水に加え、体を冷やす「クラッシュアイス」と呼ばれる氷詰めのポリ袋を用意している。フィニッシュ地点には氷風呂も設置する。

 Q レース当日、もし台風や豪雨が来たら。

 A 気象庁によると、当日の天気は曇りのち一時雨の予報。台風や豪雨の恐れはないが、MGC事務局は万が一に備え、「天候によっては中止もあり得る。その際は、当日朝5時ごろに発表する」と話している。13日現在、予備日は設けていない。

 Q 公道を走る東京五輪のテスト大会。組織委員会が注視するポイントは。

 A 選手が走る「走路」と観客が応援する「沿道」の間を二重に仕切る場所を設け、安全を確保する。また、選手がコースをわかりやすいように、浅草・雷門付近の路上に緑色のラインを塗装。誘導を示すラインの見えやすさと耐久性をチェックする。

 

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