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【スポーツ】

友風、号泣金星 引退嘉風にささげる

友風がはたき込みで鶴竜(左)を破る

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◇大相撲秋場所<7日目>

 横綱鶴竜は平幕友風にはたき込まれ、3連敗で4勝3敗となった。友風は鶴竜から2場所連続の金星獲得。1場所での大関復帰を狙う関脇貴景勝は千代大龍のはたきに屈し、5連勝の後に2連敗。平幕隠岐の海が妙義龍に逆転の小手投げで勝ち、ただ一人全勝とした。

 かど番大関の2人は豪栄道が玉鷲を寄り切って5勝目。栃ノ心は大栄翔に押し出されて5敗目を喫した。関脇御嶽海は正代を押し出し6連勝。

 隠岐の海を1敗で追うのは御嶽海と平幕の明生、石浦の3人となった。

 座布団が舞う中、勝ち名乗りを受けた友風の目は潤んでいた。花道を引き揚げる際にはもうこらえられない。右腕で何度も涙をぬぐった。

 横綱鶴竜から2場所連続で奪った金星は、引退を表明したばかりの兄弟子、元関脇嘉風(現中村親方)にささげる1勝。「引退して寂しい思いがあるのに、(これまで)良い相撲が取れていなくて、形もなっていなかった。やっと良い相撲を見せられた」

 初顔の名古屋場所でも立ち合いすぐのはたき込みで自身初の金星を挙げていた。「前に出ようと思っていた」と友風。立ち合いで相手の左手で張られ、右差しを許しそうになった。だが友風の方が低く当たっていた分、横綱の腰を浮かせることができた。すぐに右喉輪で突いて起こし、回り込みながらタイミングを見計らいはたき込んだ。

 5日目の12日。ずっとあこがれ、背中を追ってきた日体大の先輩、嘉風の引退が発表された。自身が十両に昇進した後も、志願して付け人を続けるほど、心酔していた。

 毎日、連絡を取り合う間柄。自ら「恋人のよう」と表現したこともある。「嘉風関の分もお客さんに良い相撲を見せたい」。そんな気合が空回りしたのか、6日目までは本来の思いきりのよさが影を潜めていた。前日の取組後、嘉風からこうアドバイスをもらった。「今はどんな勝ち方、内容でも否定しない。思いっきり好きにやってこい」。心のもやもやが晴れた。

 名古屋場所で横綱に勝った時も涙は見せなかった。「今場所の金星の方が心に残る。うれしい」。少しだけあの人に近づけた気がした。 (禰宜田功)

 

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