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【スポーツ】

大野雄、無双 斬った跳ねた 無安打無得点、史上81人目

大勢の観客をバックに力投した中日・大野雄=ナゴヤドームで

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◇中日3−0阪神

 中日の大野雄大投手(30)が14日、ナゴヤドームで行われた阪神23回戦で史上81人目(通算92度目)の無安打無得点試合を成し遂げた。6日に令和初達成としたソフトバンクの千賀滉大に続いて今季2人目。セ・リーグでは昨年の巨人の山口俊に次いで39人目(42度目)で、中日としては2013年の山井大介以来。

 150キロ前後の速球を軸に快調に投げ、六回1死から遊ゴロ失策で初めて出塁を許した。七回に四球を与えたが、打者29人に対して126球で今季9勝目(8敗)を挙げた。

    ◇

 中日は大野雄がノーヒットノーランで9勝目を飾った。内外角に速球を決め、許した走者は六回の遊ゴロ失策と七回の四球。二回に暴投で先制した打線は三回は福田が犠飛、五回はビシエドが適時二塁打。阪神は望月が制球難から自滅。

◆最後に最速151キロ

 周囲の興奮をよそに、中日の大野雄の腹は据わっていた。「最後にいい打者が3人。力を振り絞って真っすぐで押していこうと思った」。九回、阪神の代打原口、木浪を自慢の直球で退け、新人王候補の近本と向き合う。三直に仕留めた126球目は、この日最速の151キロ。持ち味を見失い、0勝に終わった昨季の暗い影は消えうせていた。

 無駄な力が入らず、狙ったところに球がいった。六回1死まで完全投球。「真っすぐを腕を振って投げられたのが一番良かった」。京田の遊ゴロ悪送球で走者を出したが、「これで打者と無理に勝負しなくてもよくなった」と、動じなかった。

 2015年まで3年連続で二桁勝利を挙げたが、昨季は制球に苦しんだ。開幕ローテーション入りを逃し、空回りが始まる。先制されただけで敗戦コメントを考えたことも。

 失意のオフ。メンタルの弱さを認めることが復活への第一歩となった。コーチに促され、ヒーローになる姿を思い浮かべて練習を積んだ。今季はこの日までに8勝を積み上げ、防御率と投球回はリーグ上位。「今年は自信がある。負けても切り替えられている」と手応えを感じている。

 快挙を果たすと、手足を振り回して跳びはねた。お立ち台では、6日に同じ記録を達成したソフトバンクの千賀が「声援をため息に変えたくなかった」と言ったのを引き合いに「おれは、ため息をつかせそうやなと思いながら投げていた」と語った。自身を俯瞰(ふかん)するような、焦りも力みもない心境。エース格と目されながら殻を破りきれなかった左腕が、紛れもない勲章を手に入れた。(浅井貴司)

<大野 雄大(おおの・ゆうだい)> 京都外大西高−仏教大からドラフト1位で11年に中日入団。左腕から投げる150キロ超の速球と鋭い変化球を武器に13〜15年と2桁勝利を続けた。近年苦しんだが、今季復調した。183センチ、83キロ。左投げ左打ち。30歳。京都府出身。

ノーヒットノーラン達成の瞬間、跳び上がって喜ぶ

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