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【スポーツ】

明生、稽古は裏切らない 電車通勤男 首位並ぶ

明生(左)がすくい投げで琴奨菊を破る

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◇大相撲秋場所<9日目>

 1場所での大関復帰を目指す関脇貴景勝は玉鷲を力強く押し出し、7勝目を挙げた。

 ともにかど番の大関陣は豪栄道が正代を押し出して6勝目。栃ノ心は小結遠藤を立ち合いの変化ではたき込み、4勝5敗とした。関脇御嶽海は友風を押し出して7勝目。

 隠岐の海が敗れて全勝が消え、明生とともに平幕2人が1敗でトップ。2敗に御嶽海、貴景勝、平幕朝乃山の3人が続く。十両は琴ノ若、勢の2人が首位。

   ◇

 もくろんでいた展開にはならなかった。それでも自らを客観視できる冷静さが今場所の明生には備わっている。

 大関経験者の琴奨菊相手に胸を合わせた。左を差し、上手を奪う。当初は「右からの出し投げを狙っていた」というが下手を取られ体勢が不利と見るや、すかさず左に回り込んだ。そのまますくって裏返しに。3日目から7連勝。9日目で勝ち越しを決め「いつ勝ち越してもすごく良いもの」。一方、1敗で隠岐の海と並んだことには「その日、その日で一生懸命」と気を引き締めた。

 自己最高の東前頭4枚目だった先場所は4勝11敗と上位陣にはね返された。ただ横綱との結びの一番を経験し、ゆとりが生まれた。

 師匠の立浪親方(元小結旭豊)は「立ち合いで当たってからの動きに余裕が出ている」と成長に目を細める。

 車で両国国技館に通う関取がほとんどだが、明生は茨城県つくばみらい市の部屋から電車で約1時間かけ、「通勤」している。帰宅ラッシュと重なる帰りは満員電車に揺られ立ったまま。場所前も出稽古には遠くて行くことができない。

 だから「みんながいるのにやらないともったいない」と巡業では人一倍稽古する。その姿勢から両横綱にも目をかけられ、夏巡業では白鵬からは土俵際の足の運び方についてアドバイスを受けた。「土俵の外でもしっかりやっていた。またすぐに上がってくる」と鶴竜も認める。

 鹿児島・奄美大島出身。小学3年で角界を志した中卒たたき上げ。性格は寡黙にして実直、そして稽古の虫。支度部屋では、日に日に報道陣の数が多くなっている中、苦手なことがある。「話すことより相撲が得意。相撲をみてほしい」。こう照れ笑いを浮かべ、この日も改札に消えた。

  (禰宜田功)

 

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