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【スポーツ】

<ラグビーW杯>8強へ「自信」の旅路 日本、今夜ロシア戦

開幕戦を前に調整するラグビー日本代表=味の素スタジアムで

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 4年に1度の楕円(だえん)球の祭典、ラグビーのワールドカップ(W杯)は20日に開幕する。初の8強入りを目指す世界ランキング10位の日本代表は19日、1次リーグA組初戦として行われる同20位のロシアとの開幕戦を控え、試合会場の東京・味の素スタジアムで最終調整した。

 チームは午前10時すぎに会場に到着。練習は冒頭の15分が公開され、横一直線に並んでウオーミングアップした後、フランカーのリーチ主将ら先発組が控えやメンバー外の選手を相手に戦術を確認した。

 日本はロシア戦の後、28日に世界1位アイルランド(静岡)、10月5日に同16位サモア(豊田)、13日に同7位スコットランド(日産ス)と対戦する。

      ◇

 出場する20チームは、5チームずつ4組に分かれて1次リーグを実施。総当たりで対戦して各組の勝ち点の上位2チームが準々決勝に進出。勝ち点は勝ちが4、引き分けが2、負けは0。勝敗にかかわらず4トライ以上挙げた場合と、7点差以内での敗戦は、ボーナス点1が入る。

 東日本大震災で被災した岩手県釜石市でも、唯一の新設会場である釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムで2試合を行う。

 初陣を前にしても気負いはない。満員の観客で埋まるであろうスタジアムでの前日練習。時折、笑みを見せ、リラックスした表情で汗を流す。W杯初出場で先発の大役を任されたSH流は「夢の舞台なので楽しんで自信を持ってやりたい」と自然体だった。

 自国開催のプレッシャーに打ち勝つため、日本は1年かけて準備をした。昨年9月の和歌山合宿、ジョセフ・ヘッドコーチはW杯でどんな重圧が降りかかるか選手に考えさせた。史上初のベスト8の目標、ファンや家族の声援、メディアの情報など想定されるものを挙げ、対策を話し合った。

 今年からはニュージーランド人のガルブレイス・メンタルコーチが帯同し「重圧から逃げない。受け入れて楽しもう」と説いた。不安を抱える選手と1対1で話し、ラインアウトでボールを投げ入れるフッカーには無心になる呼吸法を教えた。坂手(パナソニック)は「試合を想定した準備ができた」とうなずく。

 平常心を保てるのは、地の利もある。前回のイングランド大会では、日本食が提供されたのは週に1度か2度。チームの半数は外国出身選手だが、高校、大学から日本に住み、日本食に慣れた選手も多い。フランカーのツイ(サントリー)は「(今回は)常に日本食が食べられて助かる」と笑う。

 前回大会初戦で日本が南アフリカを破ったような番狂わせをロシアに起こさせないためにも、無用な慢心をいさめ、WTB松島は「簡単に勝てると思っている選手は誰もいない」と話す。全ては整った。桜のフィフティーンが歩みだす。  (平井良信)

ロシア戦に向け調整する堀江

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◆堀江「強さ見せたい」

 頼もしい男が集大成の思いで大舞台に挑む。W杯で3大会連続の初戦先発に名を連ねた33歳のフッカー堀江。「年齢的に次のW杯に挑むかは分からない。最後の気持ちで全力でやる」と意気込んだ。

 前回大会前は首を痛め、昨年秋には右足甲を疲労骨折。今年8月には再び首を痛めたが、間に合わせた。W杯出場が危ぶまれる故障から何度も復活を遂げ、「得たものも大きい。(故障していた期間は)体づくりに専念できた」と自信を深めている。

 気合の決意表明とは裏腹に、表情も口調も普段通り冷静なまま。ロシア戦の前日練習には250人もの報道陣が集まり、いやが上にも緊張感が高まる状況。だが「環境が便利すぎ。少しは不便な海外と同じことがしたい」と話すほど、心に余裕がある。

 19日で南アフリカから大金星を挙げた前回大会1次リーグ初戦から丸4年。「特別な思いはない」と笑い、4年前は試合の前日に主将のリーチが指揮官のジョーンズ・ヘッドコーチに怒られていたことを明かした。「『大丈夫か』と(自分が)リーチを慰めていた」と振り返り、会見場を和ませた。

 今大会の目標を聞かれると、宣言した。「日本人の強さを、日本の舞台で見せたい」。いよいよ開幕。世界と戦い続けるベテランが、静かに燃えている。 (対比地貴浩)

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