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【スポーツ】

御嶽海、壁破る賜杯

優勝決定戦で貴景勝(左)を寄り切りで破り、優勝を決めた御嶽海

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◇大相撲秋場所<千秋楽>

 関脇御嶽海が12勝3敗で並んだ優勝決定戦で関脇貴景勝を寄り切り、7場所ぶり2度目の優勝を果たした。関脇の制覇は初場所の玉鷲以来、関脇で2度目の優勝は朝汐(後の横綱朝潮)以来。御嶽海は大関昇進へ向け、大きな一歩を踏み出した。 

 御嶽海は本割で小結遠藤を寄り切った。貴景勝は平幕隠岐の海との3敗対決を押し出しで制していた。幕内の決定戦は2017年秋場所の日馬富士−豪栄道以来で、関脇同士は初めて。大関豪栄道は大関栃ノ心を寄り切り10勝目。関脇転落が決まっている栃ノ心は6勝9敗だった。

 十両で14日目に優勝を決めた勢は敗れ12勝3敗で終えた。

 表彰式では優勝して殊勲賞も獲得した御嶽海、殊勲賞の朝乃山、敢闘賞の隠岐の海と剣翔に、中日新聞社(東京新聞、東京中日スポーツ)の菅沼堅吾取締役東京本社代表から記念の盾と金一封が贈られた。一年納めの九州場所は福岡国際センターで11月10日に初日を迎える。

◆決定戦信じて「前へ」

 初優勝を飾った昨年の名古屋場所とは違う実力でつかみ取った実感がずしりと両腕に伝わってきた。7場所ぶり2度目となる賜杯を抱いた御嶽海は「しっかり目標に向かってやってこれて、それが実って良かった」。涙も見せず落ち着いた様子で語った。

 12勝3敗で並び迎えた貴景勝との優勝決定戦。「全力でいこうと思った」。頭から当たって踏み込むと同時に、突き押しが得意な相手の両手を跳ね上げ勢いを受け止めた。たまらず引いた相手の懐にすっと入ってもろ差しとなれば御嶽海の形。最後はがぶるように寄り切った。

 八角理事長(元横綱北勝海)が「2番とも内容がいい。大したもの」と手放しでたたえたように、本割でも、遠藤を寄せつけず電車道。文句のつけようがない相撲で決定戦に持ち込んだ。

 三役で自身2度目となる2桁勝利を挙げてから、満足することなく二つ白星を積み上げた。今場所で16場所連続で三役を守りながら10勝の壁に阻まれ続け、3度の負け越しも経験。出直しを誓い、涙の初優勝を「まぐれ」と表現するようになった。それだけに喜びもひとしお。「やればできるじゃん」。自分の力を再確認できた15日間だった。

 八角理事長は大関に近づいたかと問われ「十分でしょ。来場所はチャンス」。高島審判部長代理(元関脇高望山)は「雰囲気が出てきたら。来場所の成績でね」。大関への足掛かりを再び築くには十分な活躍だった。

 土俵上での優勝セレモニーを終えた支度部屋。パレードの準備を整えている間、ただ喜びに浸っているだけではなかった。「前に出る自分の相撲を取れば負けないと改めて思った。この勢いを止めないようにしたい」。冷静に自らの立場を見つめる余裕が成長の証しだ。 (禰宜田功)

 

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