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【スポーツ】

<ラグビーW杯>リーチ投入、空気変えた

前半、突進する途中出場のリーチ(中央)

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◇日本19−12アイルランド

 日本の「切り札」の出番は想定していた以上に早い時間帯に訪れた。背番号20を背負い、先発を外れた主将のリーチ。試合2日前、ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)はその経験を重視し「後半からインパクトを与えたい」と語っていたが、投入されたのは3−12と9点リードを許し劣勢だった前半30分。「チームが勝つために集中していた」。ピッチに入ると、会場の雰囲気が一変した。

 直後のプレーで相手のラインアウトを奪い、味方がつないだボールをゴール前へ運んだ。たまらず相手が反則。10メートル弱のPGを田村が確実に決めて6点差とし、ここから逆転劇が始まった。ボールを保持し、突破を試みるたびに会場を埋めたファンから「リーチ」と声援が飛ぶ中、守備でも果敢なタックルで相手の攻撃の芽を摘んだ。

 ロシア戦後、ジョセフHCに呼び出されこう言われた。「プレーの質が他の選手の方が上回っている」。直接的な表現で、この日の先発から外れることを言い渡された。「がっかりした」。それでもそれを態度に出すことなく練習では主将としてチームを鼓舞。途中出場ながら試合でも背中で引っ張った。

 4年前。南アフリカを倒す快挙を演じたものの、1次リーグで敗退する憂き目に遭った。番狂わせを起こすだけでは、次のステージに進めないことを痛いほど実感した。その経験からだろう。試合直後のインタビューで、落ち着き払った態度でこう言った。「(この勝利を)30分くらいは喜んで、次のサモア戦に向けしっかり切り替えたい」。もう同じ轍(てつ)は踏まない。 (禰宜田功)

 

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