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【スポーツ】

<ラグビーW杯>最強の桜、世界に衝撃 福岡逆転トライ 初の8強へ前進

日本−アイルランド 後半、決勝トライを決める福岡=静岡スタジアムで

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◇日本19−12アイルランド

 ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会第8日は28日、静岡スタジアムなどで1次リーグ3試合が行われ、A組で世界ランキング9位の日本が同2位のアイルランドに19−12で逆転勝ちし、2連勝で初の決勝トーナメント進出に近づいた。日本は勝ち点を9に伸ばし、1勝1敗のアイルランドは7点差以内の負けによるボーナス点1を加えて同6。日本は前回大会で優勝2度の南アフリカを破っており、2大会連続で金星を挙げた。アイルランドには10度目の対戦で初勝利。

 前半に2トライを奪われたが、SO田村(キヤノン)の3PGで9−12で折り返した。前半途中から出場した主将のリーチ(東芝)らFWが後半は激しい防御で奮闘。途中出場のWTB福岡(パナソニック)が同18分に逆転トライを奪い、田村のPGで突き放した。

 B組は南アフリカが9トライを奪ってナミビアに57−3で大勝し、1勝1敗で勝ち点5。C組はアルゼンチンがトンガを28−12で下し、1勝1敗で勝ち点6とした。ナミビアとトンガは2連敗。(世界ランキングは27日付)

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 国内を熱狂させた快挙を下支えしたのは、堅守と安定したセットプレーだ。日本は序盤で流れを失いかけながら立ち直り、後半は無失点に抑え込んだ。「勇気あるプレーで持ちこたえた」とジョセフ・ヘッドコーチ(HC)。地味な仕事をやり抜き、1次リーグ最難関を突破した選手たちに称賛を惜しまなかった。

 象徴的だったのが逆転して迎えた16−12の後半25分。トライを狙って巨漢FWで密集付近を攻めるアイルランドに対し、2人同時にいく「ダブルタックル」を浴びせ、前進を防いだ。相手が倒れた直後にフランカー姫野がボールにつかみかかり、反則を誘って危機を脱出。力勝負を制して再逆転を阻止した。

 セットプレーも光った。特にスクラムはマイボールを全て獲得。前半30分すぎには相手スクラムを押し込み、普段は温厚な右プロップ具が雄たけびを上げた。脚の角度から地面にかませるスパイクの歯の数まで細かに決めた世界的に珍しいスクラムは、格上相手にも通用した。フッカー堀江は「このやり方ならプレッシャーをかけられる」と自信を口にした。

 ダブルタックルや日本独自のスクラムは、体格で劣る弱点を補うための技術。長期の強化合宿で徹底して磨きをかけた。気が抜けず心身ともに消耗が激しいが、途中出場したフランカーのリーチは「ディテールにこだわれた」。敵将のシュミット監督も「時間がたつたび、相手に酸素がいった」と独特の表現で日本のタフさをたたえた。

 1次リーグ残り2試合を残して2勝を挙げ、目標の8強入りに大きく前進。狙い通りの戦い方で大金星を挙げ、今後も期待が膨らむ。「この瞬間を楽しめている。今夜はビールを飲むよ」とジョセフHC。顔を引き締めながらも、言葉には喜びがにじんだ。 (対比地貴浩)

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◆福岡「準備していた」

 日本が誇る点取り屋が輝きを放った。途中出場の福岡が逆転トライ。「いつでも出られる準備はしていた」と言葉を弾ませた。

 後半18分。狭いエリアでCTB中村の飛ばしパスを受けたCTBラファエレが素早くつなぐと、福岡が連動した。「あうんの呼吸」とパスの出し手を見ずに捕球し、ゴール左隅へトライ。同じWTBの松島と抱き合って喜んだ。

 この日の日本は、本来のキック主体の戦術ではなくパスを多用し相手を振り回した。ボールを横につないでは、前にいる巨漢にぶつかっていく。なかなか突破はできず、前半はノートライだったが、地道な攻撃を繰り返した。ロシア戦でも効果を上げたタックルされながら球をつなぐオフロードパスでも、好機をつくった。その総仕上げが、後半18分のトライの場面だった。

 福岡は試合終了間際には約50メートルを独走しながら、相手に追いつかれる場面も。調子はまだ万全ではない。「1次リーグ残り2試合で100パーセントにしたい」と意気込んだ。 (対比地貴浩)

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