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【スポーツ】

<ラグビーW杯>強く 勇敢に 桜完全燃焼 闘将リーチ 最後まで鼓舞

日本−南アフリカ後半、南アフリカのキツホフ(左)にタックルするリーチ(下)=味の素スタジアムで

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◇日本3−26南アフリカ

 肩で息をし、表情はゆがんだ。春から抱える股関節の痛みもあったのだろう。それでも、持てる力を振り絞り、仲間を鼓舞し続けた。初の決勝トーナメントで勇敢に戦った桜のフィフティーンを引っ張ったリーチ主将。激闘の後、ピッチで「ワンチーム」を象徴する円陣を作り、語りかけた。

 「下を向く必要はない。胸を張ってほしい。このチームを作れた主将として誇りに思う。選手一人一人も誇りに感じてほしい」。誰もがうなずく様子を見て、柔らかな笑みをたたえた。

 厳しい試合だった。後半25分、南アに2本目のトライとゴールを許し、スコアは3−21と開いた。直後、闘将は味方のキックオフボールを全速力で追い掛け、相手と競り合った。ラインアウトのこぼれ球にも誰よりも速く反応。主将として最後まであきらめない姿勢を見せた。

 自国開催のW杯の重圧。「日本代表が強くなるには、キャプテンが強くならないといけない」。責任感で先頭に立ち続けたが、開幕後、自身のパフォーマンスは上がらない。第2戦のアイルランド戦で先発を外れ、第3戦のサモア戦でもゲーム主将を他の選手に託した。首脳陣の重い決断。だが、それはチームの成長でもあった。

 リーチは言う。「このチームは誰が主将になっても大丈夫」。4年前、ピッチの内外で重要な判断をできるのはリーチら限られた選手だけだったが、今は全員がリーダーとして正しい判断をできる。リーチの背中を見て、ナンバー8姫野やSH流ら次世代を担う若いリーダーも育った。

 日本ラグビー界の悲願だったベスト8の扉を開き、大きな衝撃を残した桜の戦士たち。その中心には間違いなく、海外生まれの誇り高き日本人、リーチがいた。

  (平井良信)

 

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