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【スポーツ】

<ラグビーW杯>細心の気遣い、天性の主将 リーチ、2大会連続の大役全う

日本−南アフリカ 試合後、姫野選手(左)に声をかけるリーチ主将=20日、味の素スタジアムで

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 二大会連続での主将の大役を全うした。ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会で初の八強入りを果たし、準々決勝で南アフリカに敗れて戦いを終えた日本代表のリーチ・マイケル主将(31)=東芝。「勇気を持つことが一番重要。びびらず、怖がらず、プレッシャーに対して準備をすることが大事」と仲間を鼓舞してきた。二十一日の記者会見では「このチームの主将として戦って誇りに思う」と振り返った。 (対比地貴浩)

 ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチに「天性の主将」と言わしめるリーダー。粉骨砕身のプレーはもちろん、ピッチ外でも存在感を放ってきた。「一番の仕事は強いチームをつくって勝つこと。それには主将が一番強くならないと」。重責を果たすため、前回以上に自らを律してきた。

 飲酒して羽目を外し過ぎる選手には「自分が彼らを抑えなければ」。親しい選手に酒席に誘われても断り、代表にそぐわない言動があれば厳しく注意した。

 周囲への気配りも増えた。代表候補合宿に神奈川・桐蔭学園高の藤原秀之監督が訪れた際、教え子の松島幸太朗選手(サントリー)よりも早くあいさつに出向いた。高校時代に一度、指導を受けたことがあったという。「そんな昔のことを覚えているとは。本当に人物だ」とたたえ、全国優勝経験もある名将が舌を巻いた。

 リーチ選手のリーダーシップは、ニュージーランド出身の父親コリンさん(63)の影響が大きい。自己犠牲をいとわず、肝臓の一部と腎臓を移植で提供。現在はサイクロンの被害に遭った妻の故郷フィジーに移住し、被災者の家を再建する事業に携わっている。「父を尊敬する」という息子はピッチの内外で、時に体を張り、時に嫌われることもいとわず行動してきた。

 迎えたW杯。春先に負ったけがの影響で開幕戦のロシア戦は精彩を欠き、次のアイルランド戦はベンチスタート。それでも途中交代でピッチに立ち、強豪国の巨漢に激しいタックルを次々と浴びせ、先制されたチームに流れを引き寄せた。

 スタジアムでは数万人のファンが、いつも背中を押してくれた。「多くのファンのサポートに感謝したい。この『ワンチーム』をつくり上げてきて、本当に努力をしてきて勝つために全てのことをやってきた」。最後の試合が終わって、ピッチで選手やスタッフと大きな円陣を組んだ。「下を向く必要はない。胸を張って」。主将として仲間への最後のメッセージを、自らも胸を張って伝えた。

 

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