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【スポーツ】

<ラグビーW杯 日本代表「8強」の先へ> (上)国際試合と合宿 心身進化

日本代表の宮崎合宿で体をぶつけ合う選手ら=宮崎市で

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 日本の進化を象徴する場面だった。1次リーグ第2戦、相手は優勝候補アイルランド。前半、屈強な相手スクラムを押し込んで反則を誘い、日本はがぜん勢いづいた。8強入りを懸けたスコットランドとの第4戦では、体勢を崩されながらオフロードパスを3度つないで、プロップ稲垣が代表初トライ。「ティア1」と呼ばれる強豪を力でも技でも上回ってみせた。

 今大会では、これまでの日本になかった「新しい武器」が随所に光った。強豪との対戦を通じた「豊富な国際経験」で培った自信と、長い合宿から育まれたものだ。

 日本は2016年から代表選手を中心にサンウルブズを結成し、南半球最高峰リーグのスーパーラグビー(SR)に参戦。国内のトップリーグ(TL)で体感できない世界レベルの試合や過酷な長距離遠征を通じて心身を鍛えた。

 W杯開催地の利を生かし、従来なら不可能だったティア1全10チームとの強化試合も実現。強者たちと数多く肌を合わせ、経験値を上げた。16年にスコットランド、17年はアイルランドとそれぞれ2試合したことは、今大会で生きたに違いない。

 長期合宿は今年2月からW杯開幕前の9月上旬まで、国内外で敢行した。「強豪より体力の数値が25%低い」。かつてジョセフHCは、こう打ち明けたことがある。SR、TL、代表戦。実戦を多くこなす中で、後回しになった体力強化と基礎技術の向上を図った。

 質と量は「地獄」と称されたジョーンズ前HC時代を超えた。7月の宮崎合宿では、走行量など1試合(80分)分の負荷を40分でかける厳しいメニューも。泣き言を言わないプロップ稲垣が「目の前がぼやけて死にそうだった」と明かすほどだ。技術面では、脚の角度から地面にかませるスパイクの歯の数まで決めたスクラム、前HCに禁止されたオフロードパスを磨き上げ、本番で結実させた。

 前回W杯から変貌を遂げた日本だったが、準々決勝では南アフリカに完敗。「全ての面で負けた」とナンバー8の姫野が認めるように、次のステージに進むにはさらなるレベルアップが求められる。

 21日の総括会見。リーチ主将は仲間の声を代弁するように大きな目標を掲げた。「代表が強いままでいることが大事。感動できる試合を続けたい」 (対比地貴浩)

 ◇ 

 ラグビーW杯日本大会で、日本は初の1次リーグ突破を果たした。この成功を次代に受け継ぐには、代表の活躍だけでなくラグビー界全体の努力が不可欠だ。「勇敢な桜」の道のりをたどりつつ、日本ラグビーを展望する。

 

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