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【スポーツ】

<ラグビーW杯 日本代表「8強」の先へ> (中)外国出身15人が存在感

南アフリカ戦の前半、突進するラブスカフニ(左)。右は姫野=20日、味の素スタジアムで

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 準々決勝まで44試合を終えた今大会で、目を引く数字がある。日本代表選手が1位と2位を占めるタックル数ランキング。1位はラブスカフニの68回、2位はムーアの67回。防御でチームにどれだけ貢献したかを示すこの数字。2人が象徴するように、過去最多15人の外国出身選手が日本の8強入りを大きく支えた。

 ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)は「日本人に足りない技術と体格がある」と代表31人のうち約半数の外国出身選手をそろえた。南アフリカ出身のラブスカフニは2試合でゲーム主将を務めるなど精神面でも存在は大きかった。オーストラリア出身のムーアは195センチの長身と強靱(きょうじん)な足腰を武器に全5試合に先発した。

 躍進の原動力となった2人だが、代表資格を得られたのはW杯まで3カ月に迫った6月。3年継続して居住する要件を満たして資格を取得するまで、首脳陣の心中は穏やかではなかった。特にラブスカフニは南アフリカ代表でのプレー経験はないが、合宿には呼ばれたことがあった。規定では一つの国の代表しかプレーできず、関係者は「本当に南アでの代表経験がないか、チェックは相当大変だった」という。

 実際、失った戦力もある。7月の宮崎合宿の最終日、オーストラリア出身のCTBウォーレンボスアヤコが3年の居住要件を満たせないことが分かり、チームを去った。力強い突破でFWも兼務できた貴重な存在。ジョセフHCは「ルールなので仕方ない」と平静を装ったが、選手選考は軌道修正を強いられた。

 今後も外国出身選手の力は必要となるが、有力選手は他チームとの争奪戦も予想される。代表資格に必要な「3年」の居住要件も来年末から「5年」に延長されるなどハードルが上がり、海外頼みではチーム編成上のリスクは避けられない。真っ先に鍛えるべきは日本人選手。特に若い世代の継続的な強化は必須だ。

 今大会は姫野や流、中村といった20代の若手が台頭した。ジョセフHCは「育成は進んでいる」と手応えを口にするが、今大会のメンバー31人の中に、前回は福岡ら2人いた大学生はゼロ。多くの強豪国では10代から海外のプロチームなどで経験を積むのに対し、「日本は若い世代の国際経験が足りない」と指摘する声は以前から多い。

 38歳のトンプソンは今季限りで現役引退。34歳の田中は「(4年後は)厳しいかもしれない」、33歳の堀江も「年齢や家族と相談」と話すなど、世代交代の波は確実に来る。外国出身選手と日本人のベテラン、若手が融合してこその「ワンチーム」。未来への投資を怠らないことがさらなる飛躍の鍵を握る。 (平井良信)

 

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