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【スポーツ】

ナイキに続け シューズ競争 常識破りの厚底 マラソン界席巻

「マラソングランドチャンピオンシップ」で、ナイキの厚底シューズを履いて力走する男子の中村匠吾選手(右端)ら=9月、東京・銀座で

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 米スポーツ用品大手ナイキの厚底シューズが、トップ選手は薄底というマラソンの常識を覆し、世界を席巻している。クッション性と軽さを両立させ、市民ランナーにも急速に浸透した。国内外のメーカーもアシックスが厚底シューズを発売するなど対抗し、来年の東京五輪を見据えて販売競争が過熱している。

 ▼躍動

 東京五輪マラソンの日本代表を決める「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)が開かれたのは、暑さの残る九月十五日。四十キロすぎにスパート合戦を繰り広げた男子上位三選手の足元で、ナイキの鮮やかなピンクの厚底シューズ「ズームXヴェイパーフライネクスト%」が躍動した。

 優勝した富士通の中村匠吾選手は、クッション性の高さなどから「強度の高い練習をしても翌日の疲労が抑えられる」と効果を語る。MGCでも最後のスパート時に足に余力を残せたという。

 ナイキは試作の厚底シューズでマラソン二時間切りを狙う企画を十月にウィーンで開催。男子世界記録保持者のエリウド・キプチョゲ選手(ケニア)は非公認ながら一時間五十九分四十秒で走り、シューズの力を見せつけた。

 ▼状況一変

 一般的に初心者はクッション性が高い厚底、上級者は軽さと反発性を重視して薄底を選ぶ。だが、二〇一七年七月のヴェイパーフライシリーズの登場で状況は一変した。航空宇宙産業に使う特殊素材を採用してクッション性と軽さを備え、スプーン状のカーボンファイバープレートで反発力も確保した。

 調査会社の矢野経済研究所は一九年のランニングシューズの国内出荷額を前年比2・3%増の約八百七十三億円と予測し二一年にかけて拡大するとみる。

 ▼商機

 他メーカーも商機を逃すまいと新商品を続々投入。アシックスは厚底の新商品「GLIDERIDE(グライドライド)」を九月に発売。着地時の足首の屈曲を抑えてエネルギー消費を軽減する。原野健一執行役員は「今までにない体験を提供する」と意気込む。

 ニューバランスは歴代トップ選手のシューズ作りを担った三村仁司氏の工房と提携し、「HANZO(ハンゾー)」シリーズから薄底の上級者モデルを九月に発売した。ミズノも初心者向けの「ウエーブライダー」最新作を出した。フランスの「HOKA ONE ONE(ホカオネオネ)」など新興の海外ブランドも販売を伸ばしている。

 スポーツ量販店のスーパースポーツゼビオ東京御茶ノ水本店(東京)では、ナイキのランニングシューズ販売が前年比二〜三割増と好調な一方、他メーカーの薄底シューズも人気だ。稲石幸司店長は「個人の目的やレベルに合ったシューズを提案したい」と話した。

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