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【スポーツ】

「試合のたびに進化する」 NBA八村塁 序盤戦、識者の評価は100点!

厳しいマークを受ける八村塁選手(左)=米ワシントンで(共同)

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 バスケットボール界の世界最高峰、米プロリーグ・NBA。ドラフト1巡目で指名を受けた注目の八村塁選手(21)は、開幕から全15試合に先発出場している。八村選手の活躍ぶりはどうなのか。専門家に採点してもらうと「百点」の声が相次いだ。 (石井紀代美)

 「中学校の時の塁、そのまんまだね。楽しんで、わくわくしている感じ。そんな顔をしているよ」

 八村選手が所属した富山市立奥田中バスケ部の恩師、坂本穣治さん(59)は、教え子の活躍に目を細める。八村選手の試合はほぼすべて、インターネットなどでチェックしている。

 「勝っても負けてもあしたは相手が変わる。結果は気にせずゴールに向かっていけ」。中学時代、八村少年にそう語ったという坂本さんは「世界最高峰だから、そりゃ得点できない日もあるだろう。でも、大丈夫そう。全然気にしていないな」と、コート上の表情から読み取る。

◆試合の半分以上、平均26・5分出場

 八村選手は所属するワシントン・ウィザーズの試合すべてに先発出場している。「パワーフォワード」と呼ばれるポジション。屈強な選手がひしめくゴール近くでプレーしながら、速攻にも加わるという「強さ」と「速さ」が求められる。

 これまでの個人成績は、一試合平均で出場時間が26・5分。NBAは4クオーター制計48分間の戦いで、試合の約半分は出場している計算になる。日本人初のNBA選手として知られる田臥勇太選手は4試合で計17分。必要とされなければ、そもそも出場機会が与えられない厳しい世界で、この数字は上々と言える。

フリースローを決めるウィザーズの八村塁選手=米ワシントンで(共同)

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 ちなみに、得点は一試合平均12・5点(新人四十三人中八位)、シュートが外れたボールを奪う「リバウンド」は同5・2本(同四位)だ。ただ、チームは残念ながら5勝10敗で、東部地区15チーム中10位と低迷している。

◆相手に当たって負けない力

 識者は序盤戦の活躍をどう見ているのか。

 「限りなく百点に近い」。NBA解説者の中原雄氏は絶賛し、「体のぶつかり合いを嫌がらない。むしろ、自分から相手に当たりに行く」と舌を巻く。

 バスケは相手を手で押したり、つかんだりすると反則になる。ただ、守備の選手が密集するゴールへ攻める時、どうしても相手の体にはぶつかる。そこでバランスを崩せば、シュートは外れてしまう。八村選手は身長二〇三センチ、体重一〇四キロ。NBAにはそれより大きくて重い選手はいくらでもいるのに負けない。

 「さらに、適応能力がすごい。大学時代はほとんどしなかった遠くからのシュートを打つようになった。試合を見る度に進化している」と感心する。

◆さらなるレベルアップに期待

 高校時代の田臥選手を指導した西武文理大の加藤三彦教授も「高いレベルの世界で、堂々とプレーしている。それだけで間違いなく百点」と評価する。

 ただ、メディアなどからは「試合終盤の出場時間が短い」という指摘もある。例えば、終盤で逆転勝ちした第十三戦。第4クオーターでの八村選手の出番はなかった。

 加藤氏は「勝ち負けが決まる時間帯。より激しく体もぶつかるし、普段はしないようなミスが出ることもある。一年目の選手が戦い方を知っているわけもなく、コーチは経験のある選手を使いたがる」と語る。

 その上で加藤氏は、コーチ陣の狙いを「八村選手に『勝負どころで自分も試合に出たい』と思わせ、さらなるレベルアップを期待しているのだろう。NBAのシーズンは八十二試合もある。シーズン後半に照準を合わせ、勝負どころでも八村選手を使ってくるのではないか」と推測する。

 

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