東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > スポーツ > 紙面から > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【スポーツ】

<取材ノート>ラグビー代表・松島 日本の翼、目指すは欧州

欧州リーグ再挑戦に意欲を示す松島幸太朗=東京都内で

写真

 失敗や挫折は人をたくましく成長させる。ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会で、初の8強入りを成し遂げた日本代表の主力WTB、松島幸太朗(26)=サントリー=を取材して、あらためて実感した。大会後、一度は夢破れた欧州リーグへの再挑戦に意欲を示したからだ。

 W杯閉幕後の11月、松島は東京都内で報道陣の取材に応じた。海外クラブでのプレーに関する質問が飛ぶと「できれば欧州。いい話があれば考えたい」。今季は日本でプレーするが、来季以降については明言を避けつつ、意味深な笑みを浮かべた。

 W杯日本大会では開幕戦のロシア戦でいきなり1試合3トライを決め、終わってみれば大会3位の5トライ。その快足は高級スポーツ車「フェラーリ」にたとえられ、街を歩く際に「帽子をかぶらないとばれちゃう」というほど知名度が上がった。フランスやイングランドなど世界有数のリーグがある欧州で活躍できる自信も深まったのだろう。

 ジンバブエ人の父を持つ松島は、以前から海外と縁があった。生まれ故郷の南アフリカでラグビーを始め、神奈川・桐蔭学園高を卒業後に再び南アへ。プロの下部組織で3シーズンもまれて力をつけた。実はその間、最初の欧州挑戦も果たしていた。

 南アでの1シーズン目を終えたころ、フランス1部リーグの強豪クラブの下部組織に加入した。本人はけがを抱えていて乗り気でなかったそうだが、周囲から「いいチャンスだ」と説得され渡航を決める。だが、やはり故障に悩まされて思うようにプレーできず、1カ月ほどで南アに逆戻り。当時を知る知人は「何もできなくて、おもしろくなかっただろう」と胸中を察する。

 それから7年ほどがたち、W杯で力を見せつけ、世界屈指のトライゲッターへと成長した。関係者によると気候やグラウンドの質、次回W杯のフランス大会を見据え、フランス1部リーグへの挑戦を最も希望しているという。「レベルアップのため厳しい環境に身を置きたい」と松島。自国開催の大舞台で羽ばたいた日本の「翼(ウイング)」が、本場のピッチでも飛び回る日が待ち遠しい。 (対比地貴浩)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報