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【スポーツ】

<横浜M 名門の再起> (上)全員流動、攻守が熟成

横浜M−FC東京 前半、先制ゴールを決め喜ぶ横浜Mイレブン=7日、日産スタジアムで

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 横浜MがJ1制覇を決めた7日の今季最終節、FC東京戦。3−0の完勝は、前半26分の先制点に「らしさ」が詰まっていた。3トップの中央のエリキが右で起点となり、押し上げた守備的MF和田を経由したボールを、外から絞っていた左サイドバックのティーラトンが仕留める。

 前線で左ウイングのマテウスが外に開いて相手右サイドバックを引きつけ、内側を上がるティーラトンはフリーの状態。寄せてきたFC東京の中盤右の東に、和田とどちらをみるべきか判断を迷わせる形にもなった。

 2004年以来15年ぶりのリーグ優勝をもたらした就任2季目のポステコグルー監督は言う。「みんなが動いて穴を埋める。俺のポジションはここだ、という固定はマリノスのサッカーにはない」

 自陣からの組み立てではティーラトンと松原の両サイドバックは内側に絞り、中盤に厚みを持たせる。高い位置に張る守備ラインも特徴的な戦い方の一つで、よりコンパクトな陣形をとりながら一瞬のスペースに飛び込む。守備的MFの扇原は「空いているところへと、自分たちで判断して流動的に動いていく」。

 ゴール前では、両ウイングやサイドバックの速いクロスに複数人がなだれ込む。とくに逆サイドが走り込むのは約束事。「だれかが触れば得点になる」とは、マルコスジュニオールとともに今季15得点で得点王になった右ウイングの仲川だ。

 「2年目になり全体の共通理解もできてきた。相手にとって嫌なポジションも考えられるようになった」と仲川。7月にベルギーのロケレン移籍で抜けた天野も、上位に浮上した6月の時点で「優勝を狙えるのではという雰囲気が出てきた」と口にするほど熟成の手応えがあった。

 主将で守備的MFの喜田は「去年は苦しんだ状況でも信じ抜いてやり切った。そこに意味があった」と振り返る。昨季は低迷が続いて12位。その要因となった守備も今季は改善し、「ゴール前だけが守備ではない」と指揮官。

 前線からのハイプレスにも拍車がかかり、キックオフから相手を押し込んだ。「前線がボールを追い、プレスをしてコースを限定してくれるのは重要。それがないと後ろはバラバラになる」。センターバックのチアゴマルチンスはそう語る。

 昨季は18チーム中2位タイの56得点を誇った攻撃力に対し、56失点は多い方から3番目だった。

 今季はトップの68得点で、昨季より18減となった38失点は少ない方から7番目。その結果、昨季より10勝増の22勝で、タイトルを勝ち取った。 (唐沢裕亮)

 ◇ 

 J1横浜Mが15年ぶり4度目のリーグ優勝を飾った。ポステコグルー監督が掲げるのは「アタッキング・フットボール」。いかにして「名門」は勝つサッカーを備えたか。足跡を上下2回の連載で追った。

 

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