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【スポーツ】

石川、五輪代表確実  平野初戦で敗れポイント上回る 卓球Gファイナル

女子シングルス1回戦で劉詩〓(手前)と対戦する石川佳純=鄭州で(共同)

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 【鄭州(中国)=共同】ワールドツアー上位選手で争うグランドファイナルは12日、中国の鄭州で開幕し、シングルスの女子1回戦は東京五輪日本代表の残り1枠を争う石川佳純(全農)と平野美宇(日本生命)がそれぞれ敗退した。日本協会はシングルス代表について、来年1月の世界ランキングで男女とも日本勢上位2選手を選ぶとしており、世界ランキングのポイントでリードする石川が代表入りを確実にした。

 石川は世界女王の劉詩〓(中国)に0−4で、平野は王芸迪(中国)に1−4で敗れた。佐藤瞳(ミキハウス)は丁寧(中国)を4−2で破った。

 混合ダブルス1回戦は、水谷隼(木下グループ)伊藤美誠(スターツ)組がフランスのペアに3−0でストレート勝ちして4強入りした。

 女子ダブルス1回戦は平野、芝田沙季(ミキハウス)組が台湾ペアに1−3で敗れた。木原美悠、長崎美柚組(エリートアカデミー)はスロバキアとチェコのペアに3−2で勝った。

◆石川真っ向勝負 世界女王に完敗

 世界女王と真っ向勝負を演じて敗れた石川に、朗報が舞い込んだ。自分の試合の後で、ライバル平野が敗れて3大会連続のシングルス代表が確実に。時折言葉を詰まらせながら「シングルスの舞台に立てることをすごくうれしく思うし、正直まだ実感がないくらい」と感慨深げに話した。

 日中両国のトップ選手として、互いに第一線を張り続けてきた劉詩〓との12度目の対戦だった。第1ゲームはサーブからの3球目で仕留める得意の速攻で果敢に攻めたが及ばず。続く第2ゲームは一転してレシーブを固め、ラリー戦に持ち込む互角の戦いでゲームポイントを握ったが、12−14で惜しくも落とした。

 第3ゲームは一度は引き離されながら追い上げ、第4ゲームは序盤は大量リード。スコア以上の健闘は見せた。

 運命を左右する11日の組み合わせ抽選は母久美さんが引いた。結果は最も避けたい相手の一人を引き当ててしまい「八つ当たりしたくなるような気分だった」と笑ったが、しっかりと受け止め、集中を高めた。

 思うようなプレーができずに悩み続けた今季最後の試合。持てる力はすべて出し切り「やっと終わったという気分」と解放感に浸った。 (共同)

 これまでに2度五輪に出場していても、2枠しかない東京五輪女子シングルスの座をつかむ選考レースは一筋縄ではいかなかった。残り2大会となった今月上旬、26歳の石川はこう語った。「今まで以上にハードじゃないかと思う1年だった」

 初出場だった2012年ロンドン五輪は4位だったが、有力なメダル候補だった16年リオデジャネイロ五輪はまさかの初戦敗退だった。両大会とも女子団体で表彰台に上った中、シングルスではメダルを手にできなかった。「東京でリベンジしたい」と決意は膨らんでいた。

 だが、思いが強いゆえに自分自身を苦しめた。「シングルスに『出たい』というよりは『出なきゃ』という感じの気持ちが多かった」。年長者の立場に変わり、強豪の中国勢らに立ち向かいつつ、若い世代の突き上げを受ける日々。勝ちを意識しすぎて勝負どころで消極的になり、納得いく結果が出ない大会が続いた。

 「後悔しないように自分のプレーで攻めきる」と吹っ切れたのは今年も終盤に入ってからだった。代表争いで19歳の平野美宇(日本生命)を追う3番手だったが、直近の北米オープン(カナダ)決勝で平野との直接対決を制し、グランドファイナルを前に2番手に浮上した。

 最後に勝って決めることはできなかったが、わずかなリードをかろうじて守り切って確実にした東京五輪のシングルス代表。「やっぱり、五輪自体は負けていい経験とは言えない」。3度目の正直に向けた戦いに挑む。 (磯部旭弘)

◆平野あふれる涙「残念」 相手ペースにのまれ

女子シングルス1回戦で敗れ、ぼうぜんとする平野美宇=共同

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 こらえてきた涙があふれ出した。平野は、最後は力尽きたかのように相手のペースにのみ込まれてしまった。初戦敗退で石川と争っていた五輪のシングルス代表を逃し、目を赤く腫らしながら「ここまで来られるとは思ってなかった」と言葉を継いだ。 

 過去1度戦って敗れていた王芸迪が相手。第1ゲームを落とし、迎えた第2ゲームは5−0とリードしたものの逆転されてしまった。前陣で両ハンドを素早く切り返して攻め続ける得意の形に持ち込めず、苦しい展開。3ゲームを連取された後に1ゲームを返し、一矢を報いるのが精いっぱいだった。

 団体の補欠の立場だったリオデジャネイロ五輪の悔しさをバネに戦い続けた3年間だった。2017年は全日本選手権を制し、世界選手権個人戦も3位でトップ選手となったが、スランプも経験。厳しい競争に身をさらし「初めて卓球を辞めたいと思った。きつかった」と心境を打ち明けた。

 シングルス代表争いは終わったが、選考レースに加わり続けたのは成長の証しとも言える。達成感と悔しさが入り交じる表情で「チャンスはあったので、生かせなくて残念」とうつむいた。 (共同)

※〓は雨かんむりの下に文

 

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