東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > スポーツ > 紙面から > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【スポーツ】

ザギトワ、競技活動休止 引退は否定「氷上にとどまる」

 【モスクワ=小柳悠志】女子で2018年平昌冬季五輪金メダルのアリーナ・ザギトワ(17)=ロシア=が13日、競技活動の休止を宣言した。将来的な競技復帰の可能性はにおわせるが、後輩らの活躍が続く中で女王に返り咲くのは難しい状況だった。

 ザギトワはロシアのテレビ番組で今月下旬のロシア選手権の欠場を表明。「氷上にはとどまりトレーニングを続ける」と語り、引退は否定した。アイスショーには出演する意向も示し、「自分探しはよいことだと思う。新しい要素、新しいジャンプの仕方を学べる」と技術向上へのこだわりを見せた。

◆同じ17歳の紀平「すごく驚いた」

 ザギトワが競技活動の休止を表明したことを受け、日本のフィギュア界には14日、衝撃が走った。昨年12月のグランプリ(GP)ファイナルでザギトワを破り、初出場優勝した同じ17歳の紀平梨花(関大KFSC)は「すごく驚いたというのが一番の気持ち。一緒に戦ってきて少し寂しいという気持ちもある」と心境を口にした。

 日本スケート連盟の小林芳子強化部長は「フィギュア女子の時代が一気に変わったと改めて実感させられた」。国際スケート連盟(ISU)はシニアの年齢制限でシーズンに入る7月1日までに15歳に達していることと定めている。

 ある関係者は「ジャンプの回転数を増やすだけがフィギュアじゃない。小児体形なら勝つチャンスはあるが、大人の女性なら難しいという危機的状況。年齢制限をもっと上げないといけないのでは」と指摘した。

◆成長痛、後輩台頭 17歳、悩んだ末に

 フィギュアスケートで細身の体から繰り出す正確なジャンプを武器に15歳で女王に輝いた2018年平昌冬季五輪から約1年10カ月。モチベーションを失ったアリーナ・ザギトワが13日、事実上の引退に追い込まれた。体の変化や同国で若手の台頭があり、エテリ・トゥトベリゼ・コーチが「偶然ではなく、1年半ほどくすぶっていた」と打ち明けた決断はもがき続けた末のものだった。

 五輪後に身長が7センチも伸びて臨んだ昨季は成長痛に悩まされ「最初は技術的にできないことが起き、自分を責め始める。そして精神的に重圧もかかった」と吐露していた。同じ17歳の紀平梨花(関大KFSC)に敗れたグランプリ(GP)ファイナルやロシア選手権、欧州選手権と3大会続けて優勝に届かなかった。今年3月に初制覇した世界選手権は五輪シーズンに唯一逃した主要タイトル。意地の戴冠だった。

 昨季後も身長は伸び「体の感覚が分からず、自分の手がどこなのか、足がどこなのか分からなくなった」。同じリンクで練習し3回転半や4回転を跳び、ジャンプの高難度化を加速させた16歳のアリョーナ・コストルナヤ、ともに15歳のアンナ・シェルバコワとアレクサンドラ・トルソワに対抗できなくなった。

 フリーのみで争われた10月のジャパン・オープンでほぼミスなしの演技を見せたが、4回転を4度着氷したトルソワに屈し、リンク裏で号泣した。「4回転を身につけるなら、もっと若いときにしなければならない」と話した人気スケーターが表舞台を去ることになった。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報