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【スポーツ】

<暗雲振り払えるか 五輪へ、サッカー男子> (下)3バック機能せず

日本−シリア 後半、攻め込む相馬(右)=12日、バンコク近郊で(共同)

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 1−1で引き分けた1次リーグ最終戦のカタール戦後、全3試合に出場した相馬(名古屋)はチームの課題を率直に指摘した。「引かれた相手に対して崩しのバリエーションがなかった。連係の部分でまだまだ足りない」

 3試合未勝利に終わった日本は、重心を下げて速攻に活路を見いだす相手に苦しんだ。日本の3得点は、食野(ハーツ)、相馬、小川(磐田)がいずれもエリア外から貪欲に放ったミドルシュート。ゴール前を固める相手への常とう手段だが、エリア内を連係で崩すアイデアは手詰まりだった。

 基本布陣の3バックでは、ワントップとその後ろの2人の前線が一つの肝。外に張った中盤の両サイドがここに絡むことで分厚い攻撃が展開できる。狙いはそこにあった。だが機能したとは言い難い。

 サウジアラビア戦は右の橋岡(浦和)、左の杉岡(鹿島)がクロスを上げても、ゴール前で合わせられる選手がいない。初戦と第3戦に先発した最前線の小川は「エリア内で僕が無理に起点を作り、2列目の怜央(旗手=順大)とかがゴリゴリと中に入る大胆なことをしないと、崩れない」。第2戦のシリア戦でワントップを務めた上田(鹿島)はシュート精度を欠いた。

 組み立ても相手の周囲をなでるパスばかり。狙いの形が見えるようになったのは消化試合だったカタール戦だった。中央から相馬が浮き球を相手守備陣の背後に通し、走り込んだ守備的MF田中駿(大体大)がシュート。サイド攻撃も、右の相馬のクロスに左サイドから進入した杉岡が左足ボレー。いずれも得点にはならなかったが、意図する形で迫った。

 暑さ対策を含めた東京五輪へのシミュレーションと位置付けた大会で最大6試合を戦うプランは崩れ、真剣勝負が半分で終わったことは痛い。今後は堂安(PSVアイントホーフェン)や三好(アントワープ)、久保(マジョルカ)ら今回不在だった顔触れが合流し、前線の軸となることが見込まれる。今大会から何人が残るのか。

 危機感に突き動かされる形で選手たちは自らミーティングで問題点を話し合い、ポジションごとに要求をぶつけ合った。大会を終えて相馬が言う。「メンバーが代わってもこの経験を全員で共有して戦っていこう。みんなでそう話し合った」

 五輪で3人まで登録できるオーバーエージ枠の活用も具体的な検討に入る。開催国としての誇りをかけて戦う東京五輪。苦い経験をチーム全体で生かし、良薬にしたい。 (バンコク・唐沢裕亮)

 

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