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【スポーツ】

五輪組まさか 総崩れ 卓球・全日本選手権

男子シングルス決勝で宇田幸矢(左)に敗れた張本智和

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◆18歳・宇田、初V 男子単

 全日本選手権最終日は19日、大阪市の丸善インテックアリーナ大阪で行われ、女子シングルスは早田ひな(日本生命)が準決勝で伊藤美誠(スターツ)を4−3、決勝で石川佳純(全農)を4−1と、2人の東京五輪代表を破って初優勝を飾った。早田は伊藤と組んだ女子ダブルスと合わせて2冠を達成した。

 女子と混合の両ダブルスを制して臨んだ伊藤は、史上初の3年連続での3種目制覇を逃した。石川は4大会ぶりの優勝に手が届かなかった。

 男子は18歳の宇田幸矢(エリートアカデミー)が決勝で東京五輪代表の張本智和(木下グループ)を4−3で破り、初制覇した。

 宇田と早田は世界選手権団体戦(3月・釜山=韓国)の代表に決まった。

◆張本「一気に自信なくなった」 土壇場レシーブ連続で失敗

 最終第7ゲームは9−9。宇田の放った2本のサーブを張本は連続で打ち損じた。本来のプレーが鳴りを潜めた幕切れ。「コースを絞り切れなかった」。前々回の王者が返り咲きを逃し、卓球台の近くでぼうぜんと立ち尽くした。

 崖っぷちを切り抜けたまでは良かった。1−3で迎えた第5ゲームでは8−10と王手をかけられた。ここからラリーで粘り、サーブで崩して13−11で逆転。第6ゲームも11−6で奪取した。だが、「よく耐えたけど、危ない試合はどこかで負けてしまう」と歯切れが悪かった。

 前回大会は準決勝でフルゲームの末に敗退した。「1ゲーム取られただけでも負けに近い気持ちになった。まだまだ幼かった」。後の海外ツアーを回る中で平常心を貫く内面を強化した。今大会は鬼門だった準決勝をフルゲームで勝利。焦りを見せない姿で成長の一端を示したが、再び頂点には届かなかった。

 「2位なので、特に何もなかった大会です」。意気込みが強かっただけに敗戦のショックは色濃い。「決勝1試合で、ここまで戦った自信が一気になくなった感じがある。また一からやるしかない」。東京五輪の開幕まで間もなく半年。教訓を胸に前に進むしかない。 (磯部旭弘)

◆「攻めることだけ考えた」

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 18歳の宇田=写真=が、2年前のジュニアの部決勝でストレート負けした張本に雪辱、初優勝を飾った。2歳下の日本のエースを破り「守っているようじゃ勝てないと思っていた。攻めることだけを考えた」と納得の表情を浮かべた。

 世界ジュニア選手権で2018年男子シングルスで準優勝し、19年混合ダブルスで優勝した有望株。全日本では前回の16強入りが自身の最高成績だった。今大会の目標は4強と定めていたが、両ハンドの強打を武器に王者まで一気に駆け上がった新星は「今回はぎりぎりで勝つことができたが、今後も必ず当たる相手。次も勝っていきたい」とさらなる闘志を燃やした。

◆早田、女子単 意地の初V2冠

女子シングルス決勝石川佳純(右)を破り優勝した早田ひな

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 初優勝が決まった瞬間、早田はその場にしゃがみ込み両手で顔を覆った。しばらく涙が止まらない。東京五輪出場を逃した19歳が意地の頂点。「これまで苦しいことや、頑張っても結果が出ない時が多くて。でも常にたくさんの方が応援してくれていたので」。優勝インタビューに、会場は万雷の拍手に包まれた。

 伊藤との準決勝の最終ゲーム。「気持ちが強い方が絶対勝つ」と信じた。6−4でリードした場面で続いたラリー。クロスの打ち合いから、タイミング良くストレートへ打ち込むと、相手は触ることができなかった。「思い切っていけたのが良かった」

 石川との決勝は序盤から攻めて多彩なサーブを繰り出し相手にうまくレシーブをさせない。武器とする力強いプレーだけでなく、緩急を織り交ぜ、勝利をたぐり寄せた。

 東京五輪代表の2人を連破しての栄冠。「やっぱり五輪に出たかった気持ちはある。でも逆に選ばれなかったことで、自分を追い込み、絶対優勝しようという気持ちがあった」。石田大輔コーチも「苦しい中でも本当に明るく楽しく練習を頑張っていた」と目を潤ませた。自身の今年のテーマは挑戦。今後の4年間でどう変われるか。「いろんなことから逃げずに頑張る」。既に気持ちは東京の先へ向いている。 (神谷円香)

◆伊藤、3年連続3冠逃す

女子シングルス準決勝で早田ひなに敗れ、3冠を逃した伊藤美誠

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 伊藤は準決勝で前日に女子ダブルスで3連覇を果たし、喜びを分かち合った早田に競り負けて、史上初の3年連続3冠を逃した。快挙まで一歩及ばず「今日は早田選手が上回っていた。押され負け。1点を取るのが難しかった」と悔しさをにじませた。

 早田に持ち味のサーブや多彩な返球を繰り出され、最初の2ゲームを落とした。劣勢の中、徐々に盛り返して最終ゲームまで持ち込んだが、「ラリーになると一発がある」と評した早田に対応しきれず、最後は自身のサーブミスで敗れた。今年最大の目標となる東京五輪へ「練習するのみ」と前を向いた。

 

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