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【スポーツ】

正代、無心の快進撃 苦手貴景に真っ向勝負

◇大相撲初場所<9日目>

 大関貴景勝は正代に突き落とされて2敗に後退した。正代と徳勝龍の平幕2人が1敗を守って首位。かど番大関の豪栄道は炎鵬に押し出されて3勝6敗となった。

 宝富士に押し出されて6敗目の関脇高安は10勝が条件だった1場所での大関復帰を逃した。関脇朝乃山は小結大栄翔を下して6勝3敗とした。

 2敗で追うのは貴景勝と豊山、輝の平幕2人。十両は元大関の照ノ富士が9連勝として単独首位を維持した。

     ◇

 正代がピョンピョンと跳ねた。勝った直後の土俵上。「興奮の表れですね」。大関貴景勝との1敗対決に勝った喜びは、身長183センチ、体重171キロが思わず躍り上がるほど。勢いのまま、小走りでテレビのインタビューに向かった。

 3年越しに7連敗中の相手とトップを争う直接対決で、勝ち越しもかかる。しかも結びの一番。場所中盤にしてこれ以上ないほど重圧のかかる舞台だった。

 新十両会見で「誰とも戦いたくない」という後ろ向きの発言が話題になった。自他共に認めるマイナス思考の持ち主。緊張はもちろん高まったが「逆に大関戦で相性も悪かったので、いろいろ考えずにいけた」。気持ちが前を向いた正代は、貴景勝に負け続けてきた力士とは別人だった。

 大関の圧力に真っ向から渡り合い、立ち合いは押し込む。当たり勝った分、突き押しを受けて下がっても、わずかに余裕が残っていた。右に回り込みながら「本当に苦し紛れ」という突き落とし。前にのめった貴景勝が土俵を割ると、秘めていた感情があふれ出た。

 隙を見せなかった相撲を、土俵下で見守った境川審判部長代理(元小結両国)は「貴景勝も決して悪くない。それ以上に正代が良かった」と認めた。成績に加えて内容がいい。3年近く平幕にとどまるが、関脇の経験を持ち、才能は元から高く評価されていた逸材でもある。

 正代は「勝ち越せたので、あとはいけるところまでいけたら」と優勝争いへの欲はのぞかせなかった。さらに重圧がかかる後半戦も、平常心で積極的な相撲が取れるか。今の姿勢で15日間を走りきれば、大化けの可能性も十分秘める。 (海老名徳馬)

 

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