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【スポーツ】

<東京2020>同じ夢 2人で頑張れる 組手・染谷姉妹、五輪へラストスパート

姉妹で東京五輪を目指す空手組手女子の染谷香予(左)と真有美(中)。右は練習パートナーの兄・隆嘉さん

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 2人で同じ夢を追うから、踏ん張れる。東京五輪を目指す組手女子61キロ超級の染谷香予(28)=テアトルアカデミー=と、同61キロ級の妹・真有美(26)=茨城県職=は練習も私生活も共にする。ライバルとの熾烈(しれつ)な代表争いは佳境を迎え、今月末と3月の国際大会の二つを残すのみ。今年から心強い助っ人の力も借りて、ラストスパートをかける。

 「自分たちが空手を始めてからの道のりを考えると、姉妹での五輪優勝は自然と目標になっていた」。2人はそう声をそろえ、柔らかくほほ笑んだ。兄の隆嘉さん(30)を追うように香予が5歳で始めた空手。真有美も当然のように続き、茨城県古河市の自宅駐車場で、父親と4人で毎日稽古に明け暮れた。

 父は、その日決めた目標を達成できるまで練習を終わらせてくれなかった。物覚えの早い妹に比べ、香予は「人一倍不器用で、何でもできるようになるまで時間がかかった。よく怒られました」と苦笑する。埼玉・花咲徳栄高、帝京大へと、姉妹は同じ道を進んだ。姉は大学3年で世界選手権を制し、妹も国際大会で着々とメダルを取ってきた。

 東京五輪の組手女子は、通常の5階級から、55キロ級、61キロ級、61キロ超級の3階級に統合して実施される。出場枠は各国・地域で最大1。同じ身長162センチながら、これまで香予は68キロ級、真有美は61キロ級で戦ってきた。五輪の選考方式が固まった2017年暮れ、香予は自分よりも体格のいい選手がそろう61キロ超級に階級を上げるか、真有美と競うことになる61キロ級に下げるかの選択を迫られた。

 「お姉ちゃんが持っている目標を自分のせいで変えてほしくない」とおもんぱかる真有美を制し、香予は「一緒に目指すことに意味がある。お互いの組手の特徴も考えると、これがベストの選択」と超級を選択。姉の決意を感じ、妹は「自分も死ぬ気で出場権をとる」と心に決めた。

 兄は昨年末で現役引退。1月からは警視庁に勤めながら真有美の練習パートナーを務めることになり、結束は増している。2月中旬にはきょうだい3人そろって山梨県甲斐市の高校で合宿。真有美は隆嘉さんからステップや突きのバリエーションを助言され、「お兄ちゃんが一番信頼できる」とほほ笑んだ。

 五輪ランキングで、香予は日本人2番手の12位で、4位の植草歩(JAL)を猛追。「あと2大会、メダルは最低条件」と闘志を燃やす。真有美は日本人トップの10位だが、14位の森口彩美(AGP)に追い上げられている。「追いつかれるのを気にせず、自分はしっかり勝つだけ」と前を向く。

 五輪切符を勝ち取れば、練習パートナーの兄も含めて3人で東京の大舞台に立てるかもしれない。「そのためなら、きつい練習も頑張れる」と姉妹。支え合って高みを目指す。 (兼村優希)

 

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