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【スポーツ】

初心胸に「一生懸命」 大関朝乃山が誕生

 日本相撲協会は25日、大阪市浪速区のエディオンアリーナ大阪で夏場所(5月10日初日・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、東関脇朝乃山(26)=本名石橋広暉、富山県出身、高砂部屋=の大関昇進を正式に決めた。

 協会は出羽海理事(元幕内小城ノ花)と千田川審判委員(元小結闘牙)を大阪市中央区の高砂部屋宿舎に派遣し昇進を伝達。令和初の新大関となった朝乃山は「大関の名に恥じぬよう相撲を愛し、力士として正義を全うし、一生懸命努力します」と口上を述べた。

 伝統ある高砂部屋では2002年名古屋場所後の朝青龍(元横綱)以来の新大関で「少しずつ実感が湧いてきた。しっかり右四つを磨き、新たな歴史をつくっていきたい」と意気込んだ。

 新大関誕生は昨年春場所後の貴景勝以来。3場所での三役通過は年6場所制となった1958年以降で2番目に速く、富山県出身の大関は太刀山(後の横綱)以来で111年ぶりとなる。

 188センチ、177キロの体を生かした正統派の朝乃山に、周囲は横綱を期待。協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「もっと気迫を前面に出し、土俵に上がったら鬼になるくらいの気持ちで」と精神面の厳しさを求めた。境川審判部長代理(元小結両国)は「上を目指してほしい。頑丈だし、前へ出る相撲だからけがをしない」と評した。

◆師匠と同じ言葉堂々口上

 朝乃山はこれまでの歩みを振り返る言葉で大関としての決意を示した。相撲を始めた中学校時代に「途中で辞めずに取り組もう」と心に刻んだ「一生懸命」に、母校富山商の校歌にある「愛」と「正義」。今後も初心を心に置き続け、変わらずに真っすぐに努力する思いを口上に込めた。

 無観客だった異例の春場所でも落ち着きを保って11勝を挙げた。新型コロナウイルス対策のため代表取材となり、報道陣が普段の10分の1以下の伝達式でも、正攻法を通す相撲と同じように堂々と自分を貫いた。

 師匠の高砂親方(元大関朝潮)は「100点満点」。37年前に親方自身も春場所後、同じ宿舎で大関昇進を伝える使者を迎えて「大関の名に恥じぬよう一生懸命頑張ります」と口上を述べた。朝乃山は師匠とは事前に相談しなかったといい、結果的に同じ四字熟語を使った形。大相撲らしい歴史の重みもにじんだ。

 富山県からは、明治から大正にかけて圧倒的な強さを誇った元横綱太刀山以来111年ぶりの大関となった。「自分が活躍して富山の小さい子供たちに目標にしてもらい、プロに入ってもらうのがまた一つの夢」。大相撲の看板を背負う大関となり、新たな歴史をつくっていく役目も担う。

 近大から入門して4年での昇進に「こんなに早く大関になれると思っていませんでした」と驚きもあるという。新三役から小結、関脇をたった3場所で通過した勢いに、横綱昇進への期待も高まる。「協会をけがしたくない思いがある。言動をしっかりしていきたい」。品格も力量もさらに磨いて最高の地位を目指す。 (海老名徳馬)

<あさのやま・ひでき> 富山市出身、高砂部屋。富山商高−近大を経て、2016年春場所に三段目100枚目格付け出しで初土俵。17年春場所新十両。同年秋場所新入幕。19年夏場所で平幕優勝。同年九州場所新小結。20年初場所新関脇。優勝1回。殊勲賞2回、敢闘賞3回、技能賞1回。得意は右四つ、寄り。188センチ、177キロ。26歳。

 

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