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【栃木】

アフリカの子に靴を 那須塩原の「パン・アキモト」

多くの靴が寄せられたイベント=那須塩原市で(パン・アキモト提供)

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 アフリカの子どもたちに運動靴を贈る活動を、那須塩原市のパン製造販売会社「パン・アキモト」が始めた。使わなくなった靴を常連客らから集めており、来年以降、船便で運ぶ。9年前から、食料難の国々に長期保存できるパンの缶詰を送るプロジェクトを展開しており、同じルートで缶詰とともに届ける。 (高橋淳)

 活動は、営業部長の秋元信彦さん(39)が今年三月、パン・アキモトの缶詰を配るためにアフリカ南部のエスワティニ(旧スワジランド)の学校を訪問したのがきっかけ。公職に就く人に食糧のほかに必要なものを尋ねたら「子どもの運動靴がほしい」との答えが返ってきた。

 初めて現地を訪れた秋元さんは、多くのはだしの子どもを目の当たりにした。「同じ年代の子を持つ親として、悲しい気持ちになった」と振り返る。

 プロジェクトで缶詰を運ぶ船便を運航している製紙会社「北越コーポレーション」(東京)の担当者と、帰国便で「何か協力できないか」と話し合った。船便は紙の原料をアフリカで積んで日本まで運ぶのが本来の役目で、缶詰はその帰りの「空っぽ」の便に、同社の善意で載せてもらってきた。今後は靴を一緒に載せることを、同社も快諾。共同で活動することにした。

 今月九日、パン・アキモトの直売店で、靴を募るイベントを開いた。店内などで直前に告知しただけだったが、常連客の家族連れらが来場し、約二時間で十六〜二十四センチの運動靴を中心に百五十足が集まった。使用感はあっても、きれいに洗われたものばかり。「子どもが大きくなって履けなくなったが、もったいなくて捨てられなかった。ぜひ役立ててほしい」と、新品を寄付する人もいた。

 イベントを担当したパン・アキモトの藤田和恵さん(42)は「日本の子どもたちの優しさがアフリカに届けられるのはうれしい」と笑顔で話した。

 秋元さんは、今後も市民からの寄付を随時受け付けようと考えている。靴メーカーにも協力を呼びかけており、前向きな回答をもらっているという。

 まずは来年二月、試行的に約二百足をエスワティニの子どもたちに届ける。税関などを含めてスムーズに運べると確認できれば、増量や定期化を目指す。

 秋元さんは「はるか遠くのアフリカと日本が靴でつながる。子どもたちが世界のことや物を大切にする心を学ぶきっかけになれば」と期待している。

 

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