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【栃木】

結城紬 伝統紡ぐ 全国に道具貸し出し 材料の糸募る

結城紬の材料となる、糸の紡ぎを実演する伝統工芸士(手前)=茨城県筑西市で

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 小山市や茨城県などの特産品で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に登録されている高級絹織物「結城紬(つむぎ)」の材料となる糸を紡ぐ職人が、高齢化に伴い減少している。産地の関係者は、年齢や作業場所を選ばない技術であることに着目し、初心者でも一人で始められる道具や手引のセットを製作。全国に貸し出して糸を集める取り組みに乗り出した。

■1人で始められる

 「みなさんと一緒に手を携えて後世に伝えたい」。八月下旬、同県筑西市で開かれた糸紡ぎの担い手育成に向けた説明会。本場結城紬卸商協同組合の奥沢武治理事長が、参加した女性約三十人に協力を求めた。

 結城紬の一番の特徴は、真綿から人の指先で紡ぎ出される糸だ。手作業の糸は空気を含むため、布は柔らかく暖かくなるという。説明会では伝統工芸士から「左手で綿を引っ張り、右手に唾液を付けて繊維を固めて」とアドバイスを受け、参加者も作業を体験した。

 結城紬では、まず煮てほぐした繭を引き延ばし真綿を作る。続く工程が糸紡ぎだ。同組合によると、戦後のピークだった一九八〇年ごろ約五千人いたとみられる職人は現在二百五十人ほどに。平均年齢は七十歳を超える。

 道具セットは、危機感を持った生産や卸商など産地の五つの組合が連携して製作し今年から貸し出しを始めた。従来は正座でしか作業できなかった道具を、椅子に座っても作業できるよう改良した。

■組合側が買い取り

 借りた人は一定期間内に決められた量の糸を納品。組合側が太さや重さを検査し買い取る流れだ。性別、年齢、居住地は問わない。

 説明会に参加した同県下妻市の会社員鈴木紗彩(さあや)さん(29)は「伝統文化と聞くと敷居が高いと思っていたが、困っていることを知り、携われる機会があるなら挑戦したいと思った」と話した。

 これまで同県内のほか北海道や山形県、長野県などへ約七十セットを貸し出し約二キロの糸が送られてきた。細く均一に紡ぐのは難しいが、生産者に販売されたものもある。同組合の藤貫成一(ふじぬきしげかず)副理事長は「糸を失えば文化全てが無くなる。一人でも多くの人に協力してほしい」と呼び掛けている。

 

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