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【栃木】

高校生の技術、快走 乾電池フォーミュラカー 宇都宮工業・科技研究部が製作

「宇都宮工業高校」の文字をあしらったフォーミュラカーと科学技術研究部の部員たち=いずれも宇都宮工業高で

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 宇都宮工業高校の科学技術研究部が、乾電池とモーターで走るフォーミュラカーを製作した。レースで使われた車の部品一式を所有する企業から譲り受け、エンジンをモーターに置き換え、1年余りかけて電気自動車(EV)に仕上げた。今月中にサーキット「ツインリンクもてぎ」(茂木町)で本格的に試験走行させる。 (小川直人)

 部の作業スペースに、大きな白いフォーミュラカーがある。一見、爆音を響かせて動きだしそうな迫力だが、エンジン音とは無縁のEVだ。

 1000個近くのパーツが詰め込まれた大きな箱が同校に届いたのは昨年1月。ボルトなど部品は全て小分けにされていた。解説書はなく、部員たちは手探りで組み立て始めた。

 モーターを載せるために車の心臓部に配置するアルミ製のフレームは、設計から削り出しまで全て自力で進めた。斎藤陸部長(17)は「モーターを載せるスペースが狭く、設計から苦労した」と話す。

 モーターは小型のコンピューターで制御する。それを操るプログラミング言語も一からOBの教えを請うた。3年の部員は「知識のないところから作り上げ、技術力の向上につながった」と胸を張る。

 乾電池を使うことにしたのは、誰にとっても身近な動力源だから。「高校生がEVのレーシングカーを作る」と知った小中学生たちが、ものづくりに一層関心を持ってくれるのではないかと考えたという。

 昨年11月、乾電池の代わりにバッテリーを積んで校内で試運転し、しっかり走ることを確認した。斎藤部長は「動くのを見て、正直うれしかった」と振り返る。

 サーキットの試走では、単3乾電池1000本を使って走らせる計画だ。春原拓副部長(17)は「本格的な走行は初めてなので楽しみ。トラブルなく走らせ、今後のためにデータも得たい」と意気込む。

 フォーミュラカーの製作は、同校機械科の課題研究がきっかけ。2016年度に架空の会社組織「UKcraft」(ユーケークラフト)を立ち上げ、二輪・四輪車の研究開発会社「オートテクニックジャパン」(芳賀町)からレースカーの部品を“受注”して作ったり、レースにピットクルーとして参加したりした。こうした活動が評価され、以前から省エネカーレースに取り組む科学技術研究部に白羽の矢が立った。

 顧問の高橋兼吉さん(41)は「将来のものづくりを支える人材を育てたいという思いがある。試行錯誤を繰り返し、生徒たちは成長している」と手応えを感じている。

奥にモーターを搭載した自作のアルミ製フレーム

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