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【栃木】

治五郎 信念を書す 扁額「成己益世」 足利学校で展示

公開が始まった嘉納治五郎の書「成己益世」(扁額)=足利学校で

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 NHK大河ドラマ「いだてん」で五輪運動に奔走する講道館柔道の創始者、嘉納治五郎(かのうじごろう)の書「成己益世」(扁(へん)額)の特別展示が四日、足利市昌平町の史跡足利学校で始まった。市内在住の講道館柔道の免許皆伝だった茂呂茂吉(もろもきち)(一八九一〜一九七三年)の子孫が情報提供。学校事務所では「偉大な教育者でもあった治五郎の信念が伝わってくる名書」と話す。公開は四月十四日まで。 (梅村武史)

 扁額の情報提供をしたのは茂呂の孫でそば店店主の祐助(ゆうすけ)さん(66)。入手の経緯は不明だが祖父の遺品として保管していたという。

 二月に、治五郎と足利学校の交流を示す資料の展示が報道されたことから「治五郎と足利学校の縁を知り、長年、倉庫にしまい込んでいた扁額の公開を思い立った」という。

 扁額は横百九センチ、縦三十五センチ。己を成して世を益する、という意味で、治五郎の教えであった「柔道は自己完成の道であり、ただ強くなるだけではいけない。自分を完成し、世の中のためにつくせる人間にならねばならない」という信念が書かれている。

 治五郎の印と治五郎の雅号「甲南」が添えられ、書体も含めて間違いなく真筆という。

 茂呂は同市通六丁目に生まれ、家業のそば店「立花屋」(現・第一立花)に精励するかたわら、柔道修行をはじめた。

 講道館入門を志し、一九一一年に治五郎宅を訪問、入門を許可された。二三年、足利市で群馬、栃木両県対抗試合を開催し、大会委員長を務める。

 三一年、足利市体育協会を組織、戦後も副会長として活躍。県柔道連盟副会長、県西部柔道会会長などを歴任し、本県の柔道発展に大きく寄与した。

 祐助さんは「厳格な人だったが初孫の私をかわいがってくれた。多くの人に見てもらえれば祖父も喜ぶと思う」と話している。

 足利学校の入館時間は三月まで午前九時〜午後四時、四月から午前九時〜午後四時半。参観料は大人四百二十円、高校生二百十円、中学生以下無料。問い合わせは同学校事務所=電0284(41)2655=へ。

 

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