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【栃木】

<東日本大震災8年>福島「目を向けて」 双葉から避難・北村雅さん

「福島を忘れないで」と話す北村さん=小山市で

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 東日本大震災から丸8年となる11日、東京電力福島第一原発事故により福島県双葉町から避難し、現在は小山市で暮らす北村雅(ただし)さん(63)が、同市内の喫茶店「カフェリ・フジ」で、「3・11を忘れない! 福島の過去 現在 未来」と題して体験を語った。被災地の復興とともに記憶の風化が進む中で「1年に1回だけでも『福島は今どうなっているのか』と目を向けてほしい」と集まった市民らに呼び掛けた。 (原田拓哉)

 北村さんは元町社会福祉協議会職員で、デイサービスセンターで「その瞬間」を迎えた。激しい揺れで施設の天井のガラスが落下し「死ぬんだと思った」などと当時を振り返った。原発事故の影響による農業、漁業の風評被害にも触れた。

 また「あの事故で何を失ったのか」と問いかけた上で「コミュニティーがまったく機能しなくなった。3世代の家族などは(散り散りになり)日常が奪われてしまった」と嘆いた。

 震災後、北村さんは役場ごと避難した埼玉県加須市などで働いた。各地を転々とし、長男が大学に通っていた小山市内で、5年前から家族とともに暮らしている。

 体験を話す場は、喫茶店を経営する山本悦子さん(70)が企画した。山本さんは原発事故で疲弊する福島を元気づけようと、被災者を支援するバザーや福島県相馬市の小学生が描いた絵画展などを店で開いてきた。

 「世の中は東京五輪などで盛り上がっているが、原発事故は収束が見通せず、福島が置き去りにされている」と感じ、店の常連客だった北村さんに話してくれるよう頼んだ。北村さんは「もう一度、8年前のことをいろんな人たちと共有できれば」と引き受けたという。

 

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