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【栃木】

天明鋳物のPRに全力疾走 佐野市地域おこし協力隊員・大塚由香里さん 月末で任務終了

地域おこし協力隊の活動を振り返る大塚さん=佐野市役所で

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 佐野市域に千年以上継承されてきた伝統工芸品「天明(てんみょう)鋳物」をPRする市地域おこし協力隊員、大塚由香里さん(35)が、今月いっぱいで隊員活動を終える。天明鋳物を引き立てる料理の考案や、隣市とのコラボイベント企画、多数のメディア出演など全力疾走の二年二カ月だった。大塚さんは「若い世代にも天明鋳物に興味を持ってもらった。微力ながら貢献できたかな」と笑顔で振り返る。 (梅村武史)

 大塚さんは旧藤岡町(現・栃木市)出身。大学で芸術学などを学んだ。東京都内の会社で写真撮影やネットショップの運営に携わっていたとき、隊員募集を知り応募した。二〇一七年一月、辞令を受けて佐野市に移住。同市天明鋳物まちづくり係の一員として市職員とともに活動を続けてきた。

 これまでの仕事で身に付けたプロ級の写真技術で鋳物の制作風景や作品を撮影、会員制交流サイト(SNS)で発信した。

 高価な美術工芸品としての側面が強調される天明鋳物だが、大塚さんは「若者でも手軽に使える花瓶や器など日用品としての可能性を感じた」という。自分の思いを伝えようと何度も何度も鋳物師(いもじ)の元に足を運んだエピソードも。

 今後、大塚さんは県内に撮影事務所を構え、企業のPR活動や家族写真の撮影などを行っていく予定。「協力隊活動を通じて広がった人脈と経験を生かし、地域に貢献していきたい」と話している。

 大塚さんの二年二カ月を写真やパネルで振り返る活動報告展が、二十四日まで市役所一階で開催されている。開場時間は午前八時半〜午後七時。

大塚さんが撮影した天明鋳物の制作風景=同市で

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<天明鋳物> 下野国佐野天明(現・佐野市)の地で作られた鋳物作品。鋳物業は平安時代の939(天慶2)年、平将門の乱のため、藤原秀郷が武具製作を目的に河内国(現・大阪府)から5人の鋳物師を移住させたのが始まり。安土桃山時代に茶の湯が流行し、天明鋳物が持つ野趣に富んだ素朴な湯釜が好まれた。千利休がその釜で会を催したことを伝える文献が残っている。

 

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