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【栃木】

<統一地方選 投票前に考えた>人口減少 足利のファン、引き込め

地方で活動する魅力を語る薮崎友宏さん。東京都内に住みながら足利市と二重生活を送っている=東京都港区で

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 東京・南青山の高級中華料理店でオーナーシェフを務める薮崎(やぶざき)友宏さん(45)は毎週末、足利市を訪れて自家菜園を楽しんでいる。都内と栃木県内の二重生活。育てたチンゲンサイ、コマツナなど百種類以上の野菜は店の食材として活用し、大好評という。

 静岡県出身。足利市の女性と結婚して縁ができ、今では自他共に認める足利ファン。「地方暮らしを満喫しています。仕事や生活の都合上、住民票を移すことはできないが、自分の時間を過ごすにはこちらの方がいい」

 少子高齢化と人材流出は地方都市が抱える共通の課題だ。各都市が似通った人口減対策を展開する中、薮崎さんのようなライフスタイルに注目が集まっている。

 総務省は薮崎さんのような存在を「関係人口」と呼び、住民登録して生活拠点を置く「定住人口」と、観光で訪れる「交流人口」の中間に位置付けている。

 足利市は県内で人口減に直面する象徴的な自治体だ。

 かつては宇都宮市に次ぐ県内第二の都市だった。十六万人を超えていた人口は一九九〇年をピークに減少に転じ、今は十四万人台。

 二〇〇五年に小山市、一四年には岩舟町と合併した栃木市に抜かれて四位に転落した。毎年千人のペースで減っている。シャッターが目立つ商店街に織物産業で栄えた以前の面影はない。

 市は工業団地を誘致するなど雇用を生み出して移住者を呼び込む努力を続ける一方で、住宅費や通勤費の補助など多くの自治体が実施する経済的な優遇策は行わない方針という。

 市幹部は言う。「人を奪い合って、お金をばらまいても一時しのぎにすぎない」

 市がめざしているのは、都会で活躍する人々を引き込み、第二の生活拠点として選ばれるまちだ。

 週末などを利用して週二、三日だけでも足利を訪れ、にぎわい創出、地域づくりの担い手となってくれる「関係人口」に活路を見いだそうとしている。

 市は会員制交流サイト(SNS)などで広く参加者を募り、市の魅力を語り合う「足カフェ」を開催するなど工夫を凝らしている。「とにかく足利ファンを増やすことが大切」と市の担当者は話す。

 「政治家には地域の宣伝マンになってほしい」と薮崎さんは言う。

 「地方には都会の人が飛び付くような魅力がたくさんあるのに宣伝が下手。都会人の視点を磨いてPRの先頭に立ってほしい」(梅村武史)

◆2060年人口 県内推計118万人

 県内人口は2005年をピークに減少傾向が続き、今年2月現在で194万9405人。宇都宮市の人口も18年ぶりに減少に転じた。県総合政策課が10年のデータを基準に公開した将来推計人口では、現在の少子化と転出超過が継続した場合、60年の県内人口は118万人。労働人口も52%減少するという。

 

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