東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 栃木 > 記事一覧 > 4月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【栃木】

儒学に深い造詣・渋沢栄一の書を展示 足利学校で16日から

日本銀行本店の近くに立つ渋沢栄一像=東京都千代田区で

写真

 2024年発行の新紙幣の肖像画として採用される渋沢栄一(1840〜1931年)は儒学に造詣が深く、孔子を祭る史跡足利学校(足利市昌平町)にも足跡を残している。足利学校では、新1万円の顔になる渋沢を顕彰し、来訪時の揮毫(きごう)集と同学校に贈られた扁額(へんがく)の直筆2点を16日から一般公開する。 (梅村武史)

 実業家時代の渋沢が同校を訪れたのは1910(明治43)年6月4日。足利市周辺の織物関係施設の視察が主な目的で、合間に学校に足を運んだ。隣接の小学校で講演も行っている。

 来訪時、学校の揮毫集に残したのは「天之未喪斯文也」の一筆。

 論語の一節にある言葉で、訓読は「天の未(いま)だ斯(そ)の文を喪(ほろ)ぼさざるや」。意味は「天が文化を滅ぼさないならば」。原文では「私(孔子)が殺されることはない」という内容が後に続いており、孔子自らの学問に対する強い信念を語った言葉とされる。

 また、扁額「温良恭謙譲」(縦48センチ、横139センチ)は翌11(明治44)年に渋沢から寄贈された品。入手の経緯は不明という。

 こちらも論語からの引用。孔子の人柄を弟子が表した言葉で、「温」はおだやか、「良」は素直、「恭」はうやうやしさを表す。

 日本の近代化を進めた実業家、渋沢は幼少期に論語を学び、ビジネスに生かした。著作「論語と算盤(そろばん)」(1916年刊)の中で、富を全体で共有することや、社会に還元することの大切さを説いている。

 足利学校事務所の大沢伸啓所長は「渋沢が書いた揮毫文、扁額ともに儒学への思い、孔子への尊敬が伝わってきます」と話す。

 一般公開は5月26日まで足利学校復原(ふくげん)建物内展示室で。入館時間は午前9時〜午後4時半。参観料は大人420円、高校生210円、中学生以下無料。5月20日のみ休館。問い合わせは同学校事務所=電0284(41)2655=へ。

渋沢栄一が足利学校に寄贈した扁額

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報