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【栃木】

茨城で100年ぶりニホンジカ 「食害」深刻化、福島と3県で対策検討

2018年10月、茨城県内で動画撮影されたニホンジカ=農業・食品産業技術総合研究機構中央農業研究センター提供

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 茨城県内で近年、約百年ぶりに野生のニホンジカが確認された。国内唯一の非生息地域とされるが、全国的な個体数急増に伴い、隣の栃木県から移動したとみられる。奈良公園では「神の使い」とされるが、各地で農作物や樹木を食い荒らす「食害」が深刻化。国は捕獲で半減を狙うが難航している。茨城、栃木、福島の三県は合同で協議会を設け、被害防止へ連携する方針だ。

 環境省によると、本州以南のニホンジカの推定個体数(中央値)は二〇一六年度で約二百七十二万頭と、一九八九年度の約十倍。高い繁殖力や狩猟者の減少、明治期以降の乱獲による激減で一時、狩猟規制したことなどが原因のようだ。山の野草を食べ尽くし土壌流出を招くなど、被害は農林業にとどまらない。同省は「爆発的増加だ」と危機感を示し、捕獲に理解を求めている。

 一七年十一月、茨城県北部の山中で、農業・食品産業技術総合研究機構中央農業研究センターが置いたセンサーカメラが二頭を捉えた。昨年十月に動画が撮影され、同十一月には茨城森林管理署が国有林で写真を撮った。

 同署の菊池毅地域林政調整官は「予想はしていたが、ついに来たか」と頭を抱える。植林した木の皮も食べるニホンジカは脅威だ。栃木県では一七年度、約九千八百頭を捕獲したが、食害は高止まりの状態が続く。

 三県が設ける協議会では、移動ルート解明に向け、シカへの衛星利用測位システム(GPS)装着などを検討する見通しだ。茨城県は「情報を共有して生態を解明し、シカの定着を防ぎたい」(自然環境課)とし、効果的手段を見いだすのに懸命だ。

 

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