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【栃木】

「陛下のお言葉が励みに」 ご夫妻が那須のチーズ工房視察 案内役務めた職人・高橋さん

工房の販売スペースで話す高橋さん。壁には、両陛下が見学された時の写真が掛けられている=那須町で

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 平成の世が間もなく幕を閉じる。天皇、皇后両陛下は那須町の那須御用邸でご静養の折に、地元の農家などを視察されてきた。七年前、両陛下が那須高原今(いま)牧場と牧場内のチーズ工房を見学した際、案内役を務めたチーズ職人、高橋雄幸(ゆうこう)さん(40)は、あの時の励ましの言葉を糧に、研さんを積んできた。「訪れていただいた感謝の気持ちを忘れない」と語る。 (北浜修)

 牧場は高橋さんの妻ゆかりさん(39)の父、今耕一さん(68)が経営。そこで飼育する牛やヤギの乳を原料に工房でチーズを作り、販売している。両陛下は二〇一二年七月に視察に訪れ、高橋さんは、今さんやゆかりさんらと一家総出で案内した。

 両陛下は牛舎などを回った後、白衣に着替え、同年四月に稼働したばかりの工房を見学した。工房は、大人が数人入るといっぱいになってしまうほどの広さ。

 高橋さんは、原料の乳を容器に詰め、熟成庫で保管し、商品化していくことや、搾った乳を空気に触れず新鮮なままに保つため、管を通して工房へ送ることなどを説明した。天皇陛下は「空気に触れないと、よいチーズができ上がるのですね」と興味を示したという。

 母屋での懇談で、両陛下は牛乳とヤギ乳のチーズを試食。「風味が豊かですね」「なめらかな味ですね」と感想を話したという。

 視察は一時間ほど。高橋さんは「天皇陛下から、おいしいチーズを作ってくださいと励まされた」と振り返る。

 その後、工房で作るヤギ乳チーズ「茶臼岳」は、日本航空の国際線ファーストクラスの機内食の一品として一時起用されるなど、世界の空を飛ぶ那須ブランドへと成長した。

 工房の販売スペースの壁には、高橋さん夫妻が両陛下を案内したときの写真が、今も掛けられている。

 退位を前に、高橋さんは決意を新たにしている。「陛下からいただいたお言葉が励みになっている。あの感激を忘れず、がんばりたい」

 

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