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【栃木】

昨秋死去、母の思いたどる 日航機事故で兄一家失う 大田原の橋本さん

兄一家の墓標を見詰める橋本毅さん=群馬県上野村で

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 五百二十人が犠牲となった一九八五年の日航ジャンボ機墜落事故で、兄一家三人を失った大田原市の元小学校教諭、橋本毅さん(65)が、群馬県上野村にある「御巣鷹の尾根」の慰霊登山が解禁された四月二十九日、兄崇志さん=当時(33)=の墓標に花を手向けた。昨年九月に亡くなった母に触れ「(先に亡くなった)父と母、兄がようやく一緒になれたのかな」と涙ながらに胸の内を明かした。

 「墓標の前で泣いたことはここ最近なかった」。橋本さんは母の人生をたどりながら墓標に向き合った。「私のことを知っている人はいなくなってしまった。事故が無ければ兄はまだ居たはず」と悔やんだ。

 母は事故についてほとんど語らなかった。亡くなる一カ月前に親戚に宛てた手紙に「(犠牲になった)初孫の祥ちゃん=同(1つ)=を抱いた感覚がずっと残っていた」とつづったことが分かり、母の気持ちをようやく知ることができた。

 事故から八月に三十四年を迎えるのを前に、橋本さんは「操縦士らによる飲酒問題は言語道断。航空業界での事故の風化が怖い」と強調。「自分が登り、事故を伝えていくことが大切だと思う」と語った。

 慰霊登山は十一月十四日までの予定。尾根管理人の黒沢完一さん(76)は「昨年の台風で倒れた木は少しずつ片付いている。今年は昇魂之碑の周辺を整備したい」と話した。 (市川勘太郎)

 

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