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【栃木】

<移住者新時代>栃木発 目標定め 全力で歩む日々

ボランティア活動の拠点施設で那須町での暮らしを語る羽根田孝人さん=同町で

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◆那須で「奉仕と健康」 羽根田孝人さん(76)

 超多忙なビジネスマン生活に終止符を打ち、二〇一六年夏、自然豊かな土地柄で御用邸もある那須町に移り住んだ。地域ボランティアに汗を流し、昨年は長年の夢だった徒歩で本州を縦断する旅も実現。「今の自分がどこまでできるか。日々、挑戦です」と意気軒高だ。

 東京都出身。勤務していた大手化学メーカー東レが米アップルの日本代理店となり、担当者として創業者のスティーブ・ジョブズさんらと交渉を重ねた。そのつながりでマイクロソフトのビル・ゲイツさん、ソフトバンク孫正義さんらとも交流。その後、独立して輸入会社を立ち上げ、「米国製品を熱心に売る日本人」として米ビジネス誌フォーチュンに取り上げられたことも。

 リタイアを機に、千葉県浦安市のマンションを引き払い、那須町へ。中学時代、親がこの地に所有する別荘でひと夏を過ごした思い出が心に残っていた。「郷愁が那須町を選んだ決め手だった」という。

 次の人生を踏み出すに当たり、「奉仕と健康」を第一に考えた。掲げた目標は「一年間で新たな友人を百人つくること」。転入届の提出のために訪れた町役場で、すぐさまボランティア団体やまちづくり組織に入会した。

 高齢者や体が不自由な人の送迎、草刈りなどの清掃、森林の整備、クラシック音楽祭の企画・運営…。活動は多岐にわたり、「現役と変わらない忙しさ。毎日が出勤です」と笑う。

 「地域に溶け込むには地域の人の輪に飛び込むことが一番」という米ニューヨーク駐在時代に学んだ哲学を移住先でも貫く。

 目標を定め、準備し、実行する。一貫した姿勢は現役時代から変わらない。本州縦断も同じだ。

本州縦断のゴール、大間崎で記念撮影する羽根田孝人さん(右)と、縦断を陰で支えた妻の美登里さん=青森県大間町で

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 昨年三月、本州最西端・山口県下関市の毘沙(びしゃ)ノ鼻を出発し、日本海に沿って十二府県を抜け、同六月に最北端・青森県大間町の大間崎に到達する約二千キロの道程。一日に歩く距離を三十キロに定め、五日歩いたら一日休み。宿泊先は全て事前に予約し、大雨が降ろうと、足裏にまめができようと計画を守り抜いた。

 「自分に課した課題をきっちりやり遂げる。若いころできたことを七十歳を超えた今の自分にできるか、確認したかった」

 活力の源は「日々の暮らしの中で味わう達成感」という。次の目標は北海道一周徒歩の旅。新たな挑戦へ思いは膨らむばかりだ。

◆取材後記

 移住して三年に満たないが、地元の人たちと和気あいあいと語り合い、地域に溶け込んでいた。若いころから自然や冒険、スポーツが大好きで、週一回の十キロジョギングを三十年以上続けているという。現役時代と変わらぬパワーで町に活気をもたらしている。 (梅村武史)

 

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