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【栃木】

「天皇即位」 奥島孝康・白鴎大学長に聞く 未来へ、若者に希望を

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 令和元年初日に即位された天皇陛下は、那須地方の山々に登られるなど、アウトドア活動を愛好することで知られる。ボーイスカウト日本連盟理事長として長年、陛下と親交のある、奥島孝康・白鴎大学長(80)に、新時代に向けての思いを聞いた。

 −期待することは。

 「何より大事なのは未来であり、希望であり、それを担う若者たちだ。若者に希望を与えられる新しい時代の取り組みに力を注いでほしい」

 −陛下の人柄は。

 「表裏がなく、いつも背筋を伸ばし、微動だにしない。きちっとしていて、それでいて会う人を飽きさせない。僕は、ボーイスカウト日本連盟の理事長になった二〇一〇年から、毎年正月に東宮御所に招かれるようになったが、初めから何となく好きだなあと思い、人柄に触れてどんどん好きになった。陛下も僕も山に登るので、話が盛り上がり、予定の十五分がオーバーして三十分が過ぎたが、陛下は『あ、まだいいですから。雅子と愛子も呼んで来ます』とおっしゃり、お二人を招かれた。お会いするまでは緊張するが、実際お会いすると緊張が解けていくと多くの人が口にする。絶えず相手の目を見て、にこやかに話されるので、向き合っていて非常に気持ちがゆったりとする」

 −天皇としての資質のようなものは。

 「人格、識見ともに優れ、ご自分の運命を甘受する覚悟が子どもの頃から身に付いていると思う。酒がお強いが、その場そのものを楽しむ雰囲気がある。『楽しむ』ということがそういう形でできるのは、実は天皇にとって大事ではないか。向かい合っている人にとって大きな贈り物になる。相手もゆったりと楽しめる雰囲気を、自然体でつくっている」

 −皇后さまの今後をどう考えるか。

 「超エリートと言われるが、ほがらかな優しい方。そんな方が苦しめられてきたと思うと、追い込んだものに腹が立つ。これからは伸び伸びとふるまい、ご病気も快方に向かうのではないか」

 −平成の時は、新皇后がバッシングを受けた。

 「平成の三十年で空気はずいぶん変わった。美智子さまがそういう道筋を付けた。今回はそういうことは起きないと思う」

 −両陛下の歩みをどう振り返るか。

 「お世継ぎのことや病気のため、若い時期を思い切りやりたいようにできなかったのはお気の毒だ。人は『汗をかく』『涙を流す』ことが大事だが、お二人とも十分汗をかき、涙を流した。ご苦労は必ず今後に生きる」

 −どんな天皇、皇后像を思い描くか。

 「上皇ご夫妻のなさってきた戦没者の慰霊は、過去への贖罪(しょくざい)行為で、立派なことだった。今度は未来に向かってどういうことを考えるのかに興味がある。皇后さまがヒントを出し、陛下が形にするのではないか。陛下が皇后さまの活動をサポートする面も出てくると思う。未来志向の天皇の姿を見せてほしい。そして皇后さまの心からの笑顔をたくさん見たい」

<おくしま・たかやす> 1939年、愛媛県生まれ。63年早稲田大第一法学部卒。法学部長などを経て94年から2002年まで早稲田大14代総長。08年日本高野連会長。10年からボーイスカウト日本連盟理事長。13年から白鴎大学長。専門は会社法。

 

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