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【栃木】

「裁判員」10年 審理変化、相次ぐ辞退… 小山でシンポ 現状と課題議論

白鴎大で開かれたシンポジウムで報告する平山真理教授=小山市で

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 制度開始から十年を迎えた裁判員制度を考えるシンポジウムが、小山市の白鴎大で開かれ、研究者や弁護士らが、審理に生じた変化や辞退者が相次ぐ現状を議論した。参加に不安を感じている人が多いとして、裁判員が経験を語り、社会で経験を共有すべきだとの声が上がった。

 制度設計に関わった四宮啓弁護士は、法曹間で供述調書などの書面のやりとりが中心となる「調書裁判」から、法廷で被告人らから話を聞くことが中心になったとし、「紙から人。目で見て、耳で聞いて分かる裁判になった」と評価した。

 一方、四宮さんは裁判員の辞退率が増えていることに触れ「経験の共有が参加への不安の解消につながる」と強調。「評議の多数決や個人情報などを除いて原則自由に話せるようにすべきではないか」とし、裁判員に課せられている守秘義務がネックだと指摘した。

 最高裁によると、昨年の辞退率は67%で過去最高だったが、その一方で裁判員の九割が「良い経験だった」と回答した。

 また、白鴎大法学部の平山真理教授は、裁判員裁判で性犯罪の厳罰化が進み、二〇一七年の刑法改正につながったと指摘。各地で性犯罪での無罪判決が相次いでいる点を踏まえ、「被害者の置かれている状況はまだ厳しいものがある」とした。

 裁判員制度と同時に十年を迎えた検察審査会の強制起訴制度に関する報告もあった。日本の刑事司法を研究するハワイ大のデイビッド・ジョンソン教授は「容疑者だった人の陳述機会の保証、審査会による議決内容の詳細な説明など、さらなる改正も検討すべきだ」と提案した。

 

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