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【栃木】

<11日に考えた>大災害…隣同士の共助探る 小山で「地区防災計画」作り開始

稲葉さんの解説に耳を傾ける防災会のメンバーら=小山市で

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 大地震などの災害が発生した際、自治会や自主防災組織が、いち早く避難や救護に取り組むための「地区防災計画」作りが小山市内で始まった。この計画は、東日本大震災を教訓に2014年4月から制度化されたが、県内の計画策定は壬生、野木両町内の数カ所(昨年4月現在)にとどまる。県は本年度、9市町でモデル地区を指定し計画策定の支援を始めた。 (小川直人)

 大規模災害発生時には行政機関による救助や応急復旧など「公助」が十分機能しない可能性があるため、地域コミュニティーによる「共助」を促すのが狙い。

 地区防災計画は、県や市町が作る「地域防災計画」とは別に、自治会や自主防災組織、マンションの管理組合などが策定する。計画には、自主避難の約束事や住民の役割分担、危険な場所を知るための防災マップなどを盛り込む。

 県消防防災課によると、モデル地区に防災士ら専門家を派遣し「避難所運営ゲーム(HUG)」や防災マップ作りに取り組んでもらい、計画の策定を目指す。

 小山市のモデル地区は「大字間々田自主防災会」(福田重昭会長)。初会合が八月にあり、防災会の役員や地元の消防団員ら約三十人が参加。派遣された県防災士会理事長の稲葉茂さん(67)が講演した。

 稲葉さんは、江戸時代の土砂災害の被害を今に伝え防災につなげている地区や、計画で定めた自主避難が豪雨時に実行された例を紹介。

 「計画作りで住民が共同作業をし、顔の見える関係を築くことが大事だ。地区の防災力向上につながる」などと説明した。

 十一月までに計四回の会合を開き、年度内に地区防災計画をまとめる。

 参加した防災会の斎藤栄一副会長(75)は「女性や子育て世代にも参加してもらえるような取り組みにしたい」と話す。地区の防災士は「水害のある一部を除き自然災害に対する危機感が薄いことが地区の課題の一つ。万が一のときに慌てないよう、住民の防災意識を高めたい」と計画策定に意欲を見せた。

 稲葉さんは「自分の命は自分で守る自助が最も大事」とした上で「災害について家族で話し合い、それを住んでいる地区に広げるのが地区計画と考えてもらえば良い。モデル地区の活動を通して県内の多くの地区で計画作りの機運が高まれば」と期待している。

 

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