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【栃木】

宇都宮「とみくらみんなのリビング」 グッドデザイン賞に輝く

グッドデザイン賞を受賞した集会場「とみくらみんなのリビング」(宇都宮市提供)

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 宇都宮市東峰町の空き店舗を、産学官の協働で地域の集会所にリニューアルした取り組みが、日本デザイン振興会の二〇一九年度グッドデザイン賞(公共の建築・空間部門)に輝いた。市や宇都宮大学などでつくる「宇都宮空き家会議」と、地元の「東峰西自治会」の二つの団体が、二〇一七年からプロジェクトに乗り出し、改修工事を行ってきた。空き家対策の取り組みとしては、県内初の受賞という。 (原田拓哉)

 築五十年ほどの木造平屋の店舗は長い間、たばこ店、駄菓子店などとして地元に親しまれてきたが、後継者がおらず、十年近く前から空き店舗になっていた。所有者の好意で、東峰西自治会の会合などに利用されてきたが、老朽化により雨漏りなどもあった。

 建物所有者の「地域のコミュニティーの場にできれば」との思いを受け、空き店舗再生に向けて、市や宇大などが一七年に「とみくらみんなのリビングプロジェクト」を発足させた。プロジェクトの名称は店舗の屋号「とみくら商店」の名称を生かし、かつての商店のような、老若男女が訪れる地域コミュニティーの拠点作りを目指した。

 宇大の学生たちが企画と設計案を考え、空き家会議に加わった工務店の建築士などの専門家がアドバイスしながら、改修工事を進めた。屋根は地元のスギ材を活用、解体で出た廃材は、テーブルやいすなどに再利用した。

 この地域は住民の高齢化が進む一方、大学に近い。高齢者と若者が共有するまちのリビングルームに、との思いが込められた集会場「とみくらみんなのリビング」は今春に完成した。敷地面積百四十平方メートル、延べ床面積約八十平方メートルで、三つの部屋と台所に区切られていた仕切りは取り除かれ、ワンフロアになった。

 こうした取り組みは、賞の審査委員から「建築する行為を通じて、地域コミュニティーを育んだ」と評価され、受賞に結びついた。

 集会場は現在、地元の編み物教室や、宇大の研究室のゼミなどに使われている。東峰西自治会の室井光会長(83)は「世帯数百世帯ほどの小規模の自治会だが、高齢化も進み、集会場は長年の夢だった。市の協力、宇大の先生や学生、工務店の人たちの力のおかげで実現できた」と喜んでいる。

「とみくらみんなのリビング」は、地域のコミュニティーの場になった(宇都宮大学安森亮雄研究室提供)

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