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【栃木】

<11日に考えた>「夕方震度6強、夜は大雨予報」 その時、企業は…

震災時を想定し、模造紙に付箋を貼りながら対策を考える参加者ら=いずれも宇都宮市で

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 台風19号では、河川が決壊し住宅や事業所が浸水するなど県内で大きな被害が発生した。企業が大災害に直面したときに社員や会社を守り取引先の信頼を保つため、被害を最小限に抑えて1日でも早く事業を再開させる方法の一つが「事業継続計画(BCP)」だ。各地で復旧作業が続く中で行われた県のBCP図上訓練には定員を上回る人数が集まり、関心の高さをうかがわせた。 (北浜修)

 夕方に震度6強の地震があり、夜には大雨が予想される。そのとき、企業は何をすべきか…。例年秋に行っている県のBCP図上訓練。今回は危機管理専門の経営コンサルタント会社社長、浅野睦(まこと)さん(56)を講師に招き、県庁で八日にあった。定員三十六人に対し、県内三十三事業所から計四十五人が参加した。

 訓練の想定は「十月下旬の夕方、県内を震源とする震度6強の地震が発生」だったが、台風19号を受けて、浅野さんが「天候は小雨だが、夜にかけては大雨の予報」と付け加えた。

 参加者らは九グループに分かれ、企業などの災害対策本部メンバーとの役割で、机の上に模造紙と二色の付箋を用意して、情報を整理する訓練に臨んだ。

 従業員の安全や設備の状況など、想定される事態を議論し、黄の付箋に書き込んで模造紙に貼った。続いてそれぞれの事態に対する指示内容を議論し、ピンクの付箋に書いて貼る作業を一時間ほど進めた。

 避難訓練や消火訓練の経験はあるが、BCP図上訓練は初めての参加者も多い。今回の訓練で、的確な状況判断や指示をするための課題が浮き彫りになった。

 図上訓練後、浅野さんは「事業所や工場などの通電火災や漏電リスクを避けるため、電源オフの指示が必要。立ち入り制限区域の設定も欠かせない」と、二次被害の防止を呼びかけた。復旧や事業再開に向けて「燃料確保や設備、資材の調達を担当者に指示することが重要だ」と強調した。

 さらに、大雨予報の想定を踏まえて「大雨の中、社員を帰宅させたら、会社は従業員の安全に配慮する義務違反にも問われかねない」と指摘すると、場内は大きくどよめいた。

 芳賀町のサービス関連会社に勤務する男性(27)は「初めて参加したが、普段から優先すべきことは何かを決めていないと難しいと分かった。業務に生かしたい」と話した。

 浅野さんは「十月に風水害が相次ぎ、みなさん真剣に取り組んだ」と評価した上で「平時から臨場感を持ち、訓練することが大切だ」と話している。

想定される事態や指示内容などを2色の付箋に分けて貼った模造紙

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訓練内容を説明する浅野さん

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