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【栃木】

災害ボランティア、漫画で身近に 足利のアーティスト・秋山佳奈子さん

漫画の原画を手にボランティア体験を振り返る秋山佳奈子さん=足利市で

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 台風19号で深刻な被害が出た足利市に住むアーティスト、秋山佳奈子さん(33)が初めての災害ボランティア体験を漫画に描いた。不安いっぱいの登録から重装備の着用、ほふく前進で床下清掃、被災者との心のふれあい…。悪戦苦闘の体験をほのぼのとしたタッチで伝える。被災地では被災後一カ月を過ぎてもボランティアが必要。秋山さんは「私でもできた。達成感は満点。参加に迷っている方々が一歩を踏み出すきっかけになれば」と話す。 (梅村武史)

 秋山さんは多摩美術大で版画を専攻した現代アートの画家。災害ボランティアの現場では、被災者のプライバシーに配慮して屋内活動の撮影が原則禁止されており、会員制交流サイト(SNS)などでの情報が少ない。秋山さんは「実像を伝えたかった。子どものころ、漫画好きでよく描いていたので、私なら漫画だな、と思った」と語る。

 漫画は計四ページで、活動概要を説明する一枚と体験記三枚。台風19号から一週間後の一日の活動を描いた。

 秋山さん自身をイメージしたカピバラ姿の主人公が「泥出しファッション」で登場。ヤッケの上下にゴーグル、ゴム手袋、ヘルメット、防じんマスクの完全装備で暗闇の床下に。汚泥をちり取りでかき出し、袋に詰めていく作業は一回一時間にも及び、数回繰り返す。全身ドロドロのボランティアの勇姿も。翌日は筋肉痛になった。

 ボランティアセンターで活動内容をマッチングする雰囲気や装備グッズの数々を描き、活動の流れが理解できる。自宅が床上浸水し、ちゃぶ台の上で一晩過ごした被災者との触れ合い、ボランティア仲間に認められてスカウトされるエピソードもある。

 秋山さんがボランティアに一歩を踏み出したのは「台風でピンチの街を救いたい」との思いから。市の地域おこし協力隊員として、アートを通じて街の魅力をPRし、移住・定住を進める活動も担っており「できる範囲でやってみよう」と同僚とともに参加した。

 以降、計四回のボランティアを体験し、続編を執筆中。秋山さんは「被災者に寄り添うほど、つらい気持ちになる。体より心の疲労が大きかった。伝えきれなかったことを続編に描きたい」と話す。

 漫画は十九日から、秋山さんが所属する足利市移住・定住相談センターのホームページ「からりこターン 足利移住のススメ」で公開している。

(漫画は本人提供)

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