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【栃木】

大正のザリガニスープ再現 日光のホテル、来月からコースで提供

ザリガニのポタージュを盛り付ける中禅寺金谷ホテルの料理長増子陽さん=日光市で

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 百年以上前、大正天皇が即位した際の祝宴で提供されたザリガニのポタージュを、日光市の中禅寺金谷ホテルが再現した。日本では食材としてのイメージが薄いザリガニだが、令和の代替わりをきっかけにフランス料理に再び生まれ変わり、新たな観光資源として注目されている。

 一九一五年、大正天皇の即位を祝う饗宴(きょうえん)の儀では、火を通し赤くなったザリガニを入れたポタージュが提供された。「天皇の料理番」として知られ、祝宴も担当した料理人秋山徳蔵が修業をしたフランスでは、ザリガニは高級食材として使われており、北海道の支笏湖(しこつこ)から取り寄せたという。

 秋山の著書などによると、取り寄せたのはニホンザリガニ。当時の日光田母沢御用邸(日光市)に持ち込み、一部を周辺に放したとの記述もあり、「子孫」とみられる個体の生息が付近の川で近年確認されていた。

再現したザリガニのポタージュ

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 二〇一九年二月、「新天皇陛下の即位に合わせ、ザリガニを観光に生かせないか」と、ザリガニを研究する堀彰一郎さん(51)と日光田母沢御用邸記念公園の担当者が協議。中禅寺金谷ホテルの料理長増子陽さん(47)が加わり、ポタージュ再現への取り組みが始まった。

 絶滅危惧種のニホンザリガニの代わりに県内の漁協から仕入れたアメリカザリガニを使用。県立馬頭高校(那珂川町)水産科の生徒が、泥抜きや加熱処理をして臭みがない食材に。殻でだしをとったまろやかなポタージュに、細かく刻まれた貝のような食感の身と、丸ごと素揚げした一口サイズのザリガニを盛って仕上げた。

 同ホテルでは二〇年二月から、ポタージュを含めた当時のメニューを再現したコースを始める。増子さんは「最初は生臭く、とても料理に使えないと思った。おいしく食べられることを知ってほしい」と話す。他にも使用を試みるレストランもあり、堀さんは「新たな日光の特産品としてブランド化を進め、観光資源にしていけたら」と期待を込めた。

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