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【栃木】

カ〜ラ〜ス〜なぜ増える? ボードゲームで対策学ぶ 各地でワークショップ

ボードゲームのルールを説明する塚原直樹さん(右)=2019年12月19日、宇都宮市で

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 いかにカラスを減らすか−。市街地での白熱の攻防戦を多くの人に知ってもらおうと、宇都宮市のベンチャー企業「CrowLab(クロウラボ)」が、ボードゲームを使ったワークショップを開いている。開発者は「住民も対策への当事者意識を持ってほしい」と期待を込める。

 「その動きだと、来年にカラスが来ちゃいますよ」「住民の駒、飲食店の方に進めましょうか?」。昨年十二月、宇都宮市で住民ら約二十人が、地図に住宅地や森などのマスを設定したボードゲームとにらめっこしながら議論をしていた。

 開発したのは、クロウラボ代表で宇都宮大特任助教(動物行動学)の塚原直樹さん(40)。地域課題に合わせたゲーム制作を手がける団体と協力し、約一年かけて作った。市町村ごとに作成可能で、福井県あわら市や長野県飯田市でもワークショップを行ったという。

 内容は数を増やそうとするカラスを、いかに住民と行政が協力して阻むか。四〜五人のグループ内で住民、行政、カラス役に分かれ、「春」「夏から秋」「冬」の季節ごとに順に駒を動かして、二年を経過した時点でカラスの数の少なさを競う。

 実際の地図を基に、街の地理的な環境や、住民の出した生ごみや畑の果実を餌にするといったカラスの生態を反映させているのが特徴だ。

 住民はカラスの「餌駒」を取ることができ、行政も「対策駒」を置いてカラスを追い払える。だが、住民が餌を取り除いた上で行政が対策をしないと、翌年には対策が無効となり、カラスが飛来してしまう。住民と行政の協力がスムーズに行われるかがゲームのポイントだ。

 一方のカラスは、ボード上を長距離移動し餌を得て、同じマスに複数集い、繁殖したり域外から飛来したりして増殖。冬になると餌不足で行き場を失い、ボード上のカラスの数は減少する。参加した宇都宮市の無職渡辺幸雄さん(70)は「カラスの生態を知ることができた。今後はごみ対策などを見直したい」と話した。

 塚原さんによると、カラスの個体数は冬の食物の量で決まるといい、駆除よりも餌を減らすことが効果的だという。

 カラスを減らすには、CDなどをぶら下げて追い払うといった短期的対策と、住民がごみの量を減らすなど長期的な対策を組み合わせることが不可欠といい、「住民は行政に丸投げではなく、カラスを生活の中で意識し、協力して身近なところから対策に取り組んでほしい」と呼び掛けた。

 

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