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【東京】

<東京人>本屋は挑戦する 広がれ、小さな出版流通

蔵前にある「H.A.Bookstore」の店長・松井祐輔さん。出版、流通、本屋の三つの役割すべてを行う

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 「町から本屋がなくなった」と言われる昨今ですが、個人発行の「リトルプレス」や「ZINE(ジン)」を置いたり、カフェ、雑貨店、ギャラリーなどを兼ねる新刊書店が増えています。その背景にあるのが、本の流通をめぐる新しい動きです。

 業界大手の取次会社「大阪屋栗田」が二〇一七年に始めた「Foyer(ホワイエ)」は保証人や保証金が不要で、少額の新刊書籍を取り扱いできるサービスです。新しく始める書店にとっては、大手取次の在庫から本を選べるのは大きなメリットと言えます。

 また、子どもの本の専門店「クレヨンハウス」が設立した「子どもの文化普及協会」は、近年契約する出版社が増加し、幅広い出版物を発注できるようになったことから、書店のほか雑貨屋、おもちゃ屋、インテリアショップなど約二千軒が利用しています。

 取次会社を経由せずに書店との直取引を主体とする出版社「トランスビュー」が、他社に声をかけて始めた「トランスビュー取引代行」には現在七十五社が参加。書店にとっての新しい仕入れルートとして注目されています。さらに、蔵前にある「H.A.Bookstore」は、一人で小さな本屋も出版も流通も行っています。

 このように、出版流通を大手取次に頼っていた時代と異なり、さまざまな選択肢が生まれています。書店はそれぞれの流通システムをきちんと検討し、自分の店に合うものを選ぶべきでしょう。仕入れることに自覚的な書店が全国的に増えてくれば、本を巡る状況も変わってくるのではないでしょうか。 (南陀楼綾繁)

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 「都市を味わい、都市を批評し、都市を創る」をキャッチコピーに掲げる月刊誌「東京人」の編集部が、12月号の記事をもとに都内各地の情報をお届けします。問い合わせは、「東京人」編集部=電03(3237)1790(平日)=へ。

 

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