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【東京】

93歳、東京大空襲の記憶 三鷹の長谷さんが絵画展

長谷さんと展示作品=三鷹市で

写真

 戦時中に東京大空襲を目撃した三鷹市の長谷緑也(ながたにろくや)さん(93)が、人生の集大成として描いた絵画の作品展「東京大空襲の記憶」が二十一日まで、同市の井の頭コミュニティ・センター本館で開かれている。九十歳を過ぎて「平成のうちに成し遂げたい」との思いが強まり、絵筆を取った力作。七十四年前に大空襲があった三月十日を前に作品展が実現し「何とか間に合った」と満足感を漂わせる。

 長谷さんは、十九歳で軍に召集された直後の一九四五年三月十日、出征を待っていた千葉県柏市で、無数の米軍の戦略爆撃機B29による大空襲を目にした。巨大な機体は燃え上がる街の炎で赤く染まり、爆撃後に頭上を上昇していった光景が記憶に焼きついているという。

 展示は目撃した場面を描いた40号の水彩画や、焼け野原となった都内の惨状、B29の構造図など十二点。長谷さんが記録を調べ、先の大戦の開戦から終戦までの経過を文字で書き込んだ作品もあり、全体の流れが分かる構成になっている。

 長谷さんは旧満州(中国東北部)で終戦を迎え、シベリアに四年間抑留された。帰国後は運送会社の経営などをしたが、若いころから絵を描くのが好きで、画家を志したこともある。今回、大仕事を終え「広島、長崎への原爆投下とともに、大空襲は大きな惨禍の一つ。後世に伝えなければ」と話す。

 入場無料、十八日休館。作品展は三月四〜八日、三鷹市役所ホールでも開かれる。 (原田悟)

 

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