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【東京】

ホルン奏者 緊張の調べ 桜美林大・平野助教が研究 心拍数や筋肉活動量計測

プロ奏者による公開実験で説明する平野助教(左)=町田市で

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 桜美林大(町田市)の平野剛助教(音楽科学)が、演奏会で緊張する仕組みを科学的に解き明かす研究に取り組んでいる。同大が今月、市内のホールで開いた若手演奏家のホルンコンクールでは、出場者十二人の心拍数や顔の筋肉の活動量を計測。ホルンでの大掛かりな計測実験は世界的にも報告されていない。数年かけてデータを解析し、緊張を抑える方策を編み出したい考えだ。(松村裕子)

 「演奏会では頭が真っ白になり、胸がドキドキし、口の中が渇いて、普段通りの力が発揮できないことがある」。アマチュアのホルン奏者でもある平野助教自身、リサイタルでうまく演奏できないどころか、どんな演奏をしたかさえ覚えていない経験をした。

 これまでの国内外の研究では、演奏者が緊張するのはコンサートやコンクールなど人前での演奏時で、特にソロでの見せ場が多いホルン奏者の悩みの種となっている。ピアノでの計測実験例はあっても、ホルンはなかった。

 コンクールでは、プロ奏者を目指す同大音楽専修の卒業生らが計測器をつけて、約六十人の聴衆を前にベートーベンやブラームスの五曲の一部を演奏した。口の渇き具合や心拍数、マウスピースを唇で押す強さや顔、肩、前腕の筋肉の活動量を、音の強弱や高低と合わせて計測。音と筋肉との関係を探る。リハーサルでも同様に測っており、審査員や聴衆の有無による違いを調べる。緊張したかなど主観的なデータもアンケートで収集。解析して学術論文や講演会で発表する。

 平野助教はスポーツ科学の音楽版を目指しており、「緊張せずに力を発揮できるトレーニングや指導法につなげたい」と語る。

 コンクールで優勝した葛西亮さん(24)=横浜市保土ケ谷区=は「自分の演奏時の体の状況はどうなのか知りたいと思って参加した。結果を今後に生かしたい」。聴衆として見学した昭島市の青木嘉子さん(65)は「自分もダンスや日本舞踊をしているが、本番で平常心が保てない。科学で芸術をコントロールする試みは興味深い」と話した。

 

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