東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 東京 > 記事一覧 > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【東京】

江戸の歌舞伎テーマに手引書 足立出身「お江戸ル」の堀口茉純さん

かつて歌舞伎の芝居小屋があった旧猿若町(浅草6)で、著書を手にする堀口茉純さん=台東区で

写真

 足立区出身で、江戸時代に詳しいアイドル「お江戸ル」として活動する歴史作家の堀口茉純(ますみ)さん(35)が今月、「歌舞伎はスゴイ 江戸の名優たちと“芝居国”の歴史」(PHP新書、税別940円)を著した。伝統芸能でなく、庶民の娯楽だった江戸期の歌舞伎にスポットを当て、「ワクワク感を伝えたい」。読む人を芝居小屋の客席にいざなう。 (井上幸一)

 カラーをふんだんに使った著書では、芝居見物の実態、花形役者、舞台の裏側−と、三つのテーマごとに江戸時代の歌舞伎を説明。堀口さんは「幕府の『弾圧』に遭う度に、反骨心で新しいことを始めた。常に面白いかどうかが物差しで、見物客が求めているものを演じていた」と、歌舞伎の創造期で、エネルギッシュだった当時の状況を語る。

 中学生のころ、市川猿之助さん(当時)のスーパー歌舞伎に魅了され、以来、継続して歌舞伎を見てきたという堀口さん。「若い世代の『勉強しなければ…』という心のハードルをなくしたい」と、分かりやすい例えを多用。荒事で衝撃を与えた初代市川団十郎は「さしずめカリスマ・ロックスター」、江戸時代の芝居小屋の様子は「体育館の窓を暗幕で閉め切って、天井から少し光が入ってくる程度の薄暗さ」と表現した。

 堀口さんは浅草(台東区)で十年ほど、浮世絵の講座を開いており、江戸時代末期、天保の改革で興行主が江戸の中心から猿若町(現在の同区浅草六)に移転した後の歌舞伎界の隆盛にも詳しい。「幕末の浅草は、過酷な現実から逃れ、ひと時の安らぎを求める人々がたどり着く江戸のオアシスになっていた」と分析。「浅草が東京一の観光地になった基盤は、歌舞伎がやってきたことで築かれたのでは」と持説を語る。

 堀口さんは、女優業の傍ら、二〇〇八年に江戸文化歴史検定一級を当時最年少の二十五歳で取得。歴史関連の執筆、講演などにも精力的に取り組んでいる。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報