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【東京】

<ひと ゆめ みらい>高尾を人が回遊する街に 地元産原料のビール製造、販売・池田周平さん(39)

オリジナルのクラフトビール造りに取り組む池田周平さん=八王子市で

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 高尾山に程近い八王子市下恩方町。陣馬街道そばの住宅街に二〇一七年十二月、元織物工場を改装したクラフトビール醸造所「高尾ビール おんがたブルワリー&ボトルショップ」を開いた。地元産のパッションフルーツなどを使ったビールを製造、販売する。瓶詰めを買えるだけでなく、生ビールを飲むこともでき、地元住民のほか全国からビールファンが訪れる。

 登山好きで「山に行く時間を短くしたい」と、都心のデザイン会社に勤めていた一四年、それまで住んでいた新宿区から高尾駅近くに引っ越した。通勤に不便はなかったが、住むには何か物足りなさがあった。店が少なく、寂しい感じがしたのだ。

 登山で訪れる米国には、登山口の街にビール醸造所があり、登山客と地元の人がビールを飲みながら交流していた。「高尾でも同じような状況をつくり、楽しく住み続けたい」と、一六年に会社を辞めて起業する決意をした。

 ビールを造りたいと思っても、すぐに取りかかれるものでもない。酒造免許の取得には、資金と醸造場所、経験が求められる。費用は自己資金で何とかなったが、経験面をどうするか。友人のつてをたどり、米国の醸造所で技術を身に付けた。ビジネスとしてビールを造って売る方法は、米国の大学の通信教育で学んだ。場所は高尾駅周辺で探したが適地がなく、範囲を広げ現在の物件を見つけた。

 一七年十月に酒造免許を取得。ビールの仕込みに二カ月ほどかけ、販売を始めた。八王子産のホップを一部使った通年商品「Oh! Mountain(オー! マウンテン)」のほか、地元で採れるパッションフルーツやウメ、サクランボなどを使ったビールも開発し、旬の季節に販売する。

 昨年十一月から毎月第四土曜日に、高尾駅前のホテルで「高尾ビールスタンド」と名付けたイベントも開いている。一階ロビーで生ビールを出すほか、高尾を拠点に活動している人たちが食事やコーヒーを提供するなど、ゆっくり過ごせる空間を設けている。そんな活動を続けるうち、高尾の魅力や話題が豊富にあることに気づいた。五月には、知人らと高尾に関する情報誌を発行する予定という。

 将来は、高尾駅近くにビールを気軽に楽しめる店を出したい。「ちょっと寄って、さくっと飲んで店を出るようなイメージです」。ビールを飲んだ後、地元のそば屋や飲食店に行って食事をする。そんな人が回遊するような街にするのが夢だ。 (萩原誠)

 <高尾ビール>おんがたブルワリー&ボトルショップ 八王子市下恩方町1557の1。営業は金、土曜日の正午〜日没(醸造、イベントのため不定休あり)。ビールは季節により3、4種類販売しており、330ミリリットル入りで税込み650円(原料により変動あり)。問い合わせはホームページから。「高尾ビール」で検索。

 

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