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【東京】

新金線(しんきんせん)旅客化 「利用客3万6000人超」葛飾区、需要予測まとまる

旅客化が検討されている貨物専用線「新金線」(後方はJR金町駅)=いずれも葛飾区で

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 葛飾区内を南北に走るJR東日本の貨物専用線「新金線(しんきんせん)」(新小岩−金町)を旅客化する区構想について、需要予測を専門機関が三月末までにまとめた。旅客列車を走らせた場合、通勤客を中心に一日に三万六千人超が利用すると予測。過去に頓挫した構想だが、区の担当者は今回の結果に手応えを感じており、「データを基に関係機関と協議を進めていく」と話す。 (加藤健太)

 区内は東西を横断する鉄路が充実する一方、南北を往来する公共交通はバスが中心だ。そこで、JR総武線、常磐線を結ぶ六・六キロの新金線の旅客化が模索されている。区は「お年寄りにより優しい移動手段になる。貨物線を走る列車は珍しく観光客も呼び込める」と期待を込める。

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 区では、専門機関の日本交通計画協会(文京区)に需要の調査を依頼。二〇三〇年の沿線人口や交通量などの推計を基に、七駅、十駅の二パターンで予測した結果、一日当たりの利用者は三万六千六百〜三万八千四百人で、通勤客が約六割となった。周辺駅への影響は、京成高砂や青砥、JR小岩で七千〜一万人が新金線利用に転じるとしている。

 区は過去に二度、旅客化に向けた調査をしたが、採算面などから実現は困難とされてきた。国道6号(水戸街道)と線路が交わる地点は踏切で、交通渋滞への懸念もある。貨物線を走らせるJR側との調整や、旅客運行の許可も必要だ。

新中川に沿うように走る新金線の線路=本社ヘリ「あさづる」から

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 だが、前回の調査から十年以上がたち、高齢化が進み、沿線の住環境も変化しているとして今回、三度目の調査をした。

 区交通計画担当課の和田慎司課長は、需要予測について「前提にした条件が異なるので単純な比較はできないが、前回よりも良い結果が出た。実現へ前進ととらえている」と前向きに受け止めた。「予測を基に、年度内にJRや国土交通省など関係機関と協議したい」という。

 旅客化に向けて活動する市民グループ「新金線いいね!区民の会」は、利用者数や事業計画を独自に試算し、会員制交流サイト(SNS)を通じて区民の関心を高めている。需要予測を受けて、会長の佐伯博さん(44)は「まだ先は長いが、現実化させるために取り組んでいきたい」と意気込んだ。

 

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