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【東京】

「アリの街」で慈善活動に光 台東でゼノ修道士写真展

石飛さん(左)の案内で、ゼノさんの写真を見るポーランド広報文化センターのヤロスワフ・ヴァチンスキさん=いずれも台東区で

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 隅田川西岸(台東区)に戦後存在した生活共同体「アリの街」で暮らす人々と交流し、日本で慈善活動を休むことなく続けたゼノ・ゼブロフスキー修道士(一八九一〜一九八二年)の写真資料展が十二日、区内の台東一丁目区民館で始まった。街の存在を語り継ごうと区民らでつくる「アリの街実行委員会」の主催。日本と、ゼノさんの母国・ポーランドとの国交樹立百年の記念事業で、同国大使館などが後援している。十四日まで。 (井上幸一)

 アリの街では、戦災で家族や家を失った人たちが、廃品回収業をなりわいに勤勉に働き生活していた。一九三〇年にキリスト教の布教のため来日したゼノさんは、長崎で被爆し、終戦後は戦災孤児の救済に尽力。アリの街の人々と出会い、貧しくとも自活するこの街の生活様式を全国に広めた。

 上野の戦災孤児を励ましたり、ローマ法王に謁見(えっけん)したり−。会場では、ゼノさんの生涯を約六十枚の写真パネルや年表で紹介。初日はポーランド大使館・広報文化センター文化担当のヤロスワフ・ヴァチンスキさんが訪れ、「資料がたくさんありますね」と驚いていた。

 期間中、アニメ「ゼノ・かぎりなき愛に」(午前十時半〜)、アリの街で献身的な奉仕をし、二十八歳で早世した北原怜子(さとこ)さんを主人公とした五八年の松竹映画「蟻の街のマリア」(午後一時〜)を上映。ゼノさんに関する著書のある記録作家、石飛仁(いしとびじん)さん(76)のトークショー(午後三時半〜)もある。

 「これまでは、怜子さんにスポットを当ててきたが、今年は国交樹立百周年なので、ゼノさんを中心に紹介していく。七月には演劇公演も開催する」と、実行委員長の北畠啓行(ひろゆき)さん(79)=台東区東上野。今回、自作したポーランドと日本の歴史パネルを展示し、「調べていくと、どうしても戦争につながる。平和の尊さも考えてもらう機会になれば」と来場を呼び掛ける。

 写真資料展「ポーランドからやってきた風の使者ゼノ」は、午前十時から午後五時まで。入場無料。会場は東京メトロ日比谷線秋葉原駅から徒歩七分ほど。

日本とポーランドの歴史を紹介したパネルの前で来場を呼び掛ける北畠さん

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